【更新】日経新聞の決算短信から有望性を試算してみる
2010/03/30 05:05


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まずは肝心の「7つのポイント」について。当方はこれまで主に損益計算書を中心に見てきたのだが、この「7つのポイント」では損益計算書以外に貸借対照表の数字をも用いている。そして、
・流動比率……流動資産÷流動負債(120%以上が望ましい)
・手元流動性……(現預金+有価証券)÷(売上高÷決算月数)(1か月以上が望ましい)
・自己資本比率……(株主資本+評価・換算差額など)÷負債・純資産合計(15%以上が望ましい)
■収益性のチェック
・売上高営業利益率……営業利益÷売上高(5%以上が望ましい)
・在庫回転期間……(商品及び製品+仕掛け品+原材料及び貯蔵品)÷(売上高÷月産月数)(前年と比べて減っているのが望ましい)
■成長性のチェック
・売上高伸び率……(当期売上高÷前期売上高)-100%※
・固定資産投資……固定資産の取得による支出が減価償却費を上回っているのが望ましい
※原文では(当期売上高÷前期売上高)のみだったが、「-100%」を加えることで変化率を算出する
のそれぞれについて財務諸表から算出して対象企業が有望か否かをチェックする指標としよう、というものだ。「売上高営業利益率」などはこれまでも何度か紹介してきた通り。また、自己資本比率は業態によって適正値が異なるので、ある程度幅を持って考えるべきだろう。
早速先の記事に挙げた、[日本経済新聞社の決算短信(PDF)]を元に各種数字を入力し、計算した結果が次の表。なお「日経新聞全体の財務状況がどうなのか」ということを知るため、連結決算の値を用いている。

↑ 日本経済新聞社(2009年12月決算)の7つのポイントチェック
まず安全性だが、今指標においてはまったく問題なし、と出ている。これは素晴らしいお話。一方で収益性・成長性は今二つ状態。営業利益がマイナスなのだから売上高営業利益率がマイナスなのは仕方ない(!?)として、在庫回転期間も増加を見せている。これはつまり在庫回転率が落ちていることを意味する。
また成長性については固定資産への投資が活性化しているのは評価できるものの、売上高が落ち込んでおり、先行きの暗さを露呈している。
これらの結果から、現在の日経新聞は「安全性は高いものの収益性に問題がある。成長性も?マークで資産投資が評価できる程度」と判断できる。とりあえず命はつないでいるが、将来に向けて足元を明るく照らす方策が必要、そして投資はそのための足がかりなのかも、ということだ。
……と、非常にシンプルで分かりやすい「仕組み」を今回手に入れることが出来た。入力フォーマットは保存してあるので、今後色々な企業の財務諸表に当てはめ、時には比較して、分析をしてみることにしよう。
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