Wii本体と『ドラクエ』『マリオ』特需がはっきりと・家計でのテレビゲームへの支出動向をグラフ化してみる
2010/03/17 07:06


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テレビゲーム本体の販売動向は、いわゆる「ビックタイトル」の登場や、本体の新発売・価格引き下げなどに大きく左右される。大きの人に支持されるタイトルが続々発売されればそれにつられる形で前年同期比でグンと売り上げはアップするし、今一つな品ぞろえだと逆にへこむ場合も少なくない。
そのテレビゲーム本体について、2007年以降の四半期ごとの前年同期比動向を示したのが次のグラフ。

↑ テレビゲーム本体の四半期別支出金額・前年同期比増減率推移(二人以上の世帯)
全般的に2007年後半、つまり金融(工学)危機による景気後退時期に入ってから、ゲームソフトの売れ行きそのものも軟調に推移し、それに伴いハードの売れ行きも落ちているという状況がひと目で分かる(最も前年が新世代機ブームに沸いたため、その反動というせいもあるが)。その一方、2007年第1四半期からしばらくと、2009年第3・第4四半期には活性化が確認できるが、これはそれぞれ
●2007年第1四半期……任天堂のWii本体とその周辺ソフトの販売
●2009年第3・第4四半期……『Wii Sports Resort』『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』『ニュー・スーパーマリオブラザーズWii』の3タイトルの躍進と、ゲーム機本体価格の値下げ
●2009年第3・第4四半期……『Wii Sports Resort』『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』『ニュー・スーパーマリオブラザーズWii』の3タイトルの躍進と、ゲーム機本体価格の値下げ
が大きなプラス要因となっている。もっとも「前年同期比」の話なので、前年同期がそれだけ落ち込み方が大きかったのも一因といえる。
昨今のゲームソフトの売れ行きを見る限りでは、特定少タイトルが大きく売れて、あとは鳴かず飛ばずという「二分化」が進んでいるように見える。原因は1つでは無く、可処分所得の減少、「ゲーム」を遊ぶ場の増加による分散(無料ゲームの浸透や携帯電話の普及)、ゲームそのものの質の問題(もちろんすべてが、ではない)など、複数要因がそれぞれ少なからず関わっている。そしてそれらはすべて、多かれ少なかれゲーム機本体の売れ行きに影響を与えるという次第である。
今回のデータ範囲にある2007年以降では大きな売上増が確認できる2007年前半は、ゲーム機本体の主要機切り替えによる特需ともいえる。次に新ハードが登場した際、同じような特需が期待できるのか。案外微妙な状況かもしれない。
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