【更新】去年と比べて減った人は44.0%…高齢男性と若年女性ほど厳しいおこづかい事情

2010/03/17 19:30

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こづかいイメージインターネット調査会社のクロス・マーケティングが2010年2月26日に発表した消費行動に関する調査結果によると、調査母体においては1年前と比較して、おこづかいが減った人は44.0%に達していることが分かった。男女とも20代では減少率はやや少なめだが、男性は歳を経るにつれて、女性は30-40代層で特に減少した人の割合は増加する傾向にある。特に男性50代は過半数が「減った」と回答しており、これらの層は厳しいお財布事情にあることが推定される([発表リリース、PDF])。


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今調査は2010年2月8日から9日にかけて、20-69歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。年齢階層比は20代-60代でほぼ均等割り当て、男女比は1対1。なお今調査は2009年2月から3か月毎に実施されており、今回が5回目となる。当サイトでは同様の視点で前回のデータについて【去年と比べて減った人は約4割……高齢者ほど厳しいおこづかい事情】で考察を行っている。

一人住まい・世帯持ち・子供の有る無しなどにより、おこづかいの基準はそれぞれ異なってくる。それらを全部包括した、調査母体全体としてのおこづかい事情について、1年前と比べて増えたか減ったかを聞いた答えをまとめたのが、次のグラフ。全体では「増えた」人は6.8%に過ぎず、「減った」人は44.0%にも達している。前回調査と比べると「減った」人の割合は3.6ポイントも増加し、厳しさが一層増した感がある。

↑ 1年前と比較したおこづかいの増減(性別・年齢階層別)(2010年2月時点)
↑ 1年前と比較したおこづかいの増減(性別・年齢階層別)(2010年2月時点)

冒頭でも触れているが、男女とも20代は「増えた」人の割合が若干高い。これが後述するDIを押し上げる要因にもなっている。若いうちは会社の昇給が比較的容易であること、また「昨年は学生」「今年就職、自分で采配できるお金の量が増えた」などのパターンによるものが原因と思われる。

しかし歳を経るにつれて「増えた」割合は減少する。「減った」は一定の法則が無くばらばらだが、どちらかといえば男性は50-60代、女性は30-40代においてやや高めの傾向。これは今回はグラフ化・解析を略するが、全般的に「高齢者ほど給与所得が減る傾向が強い」ことを起因としている。手取りが少なくなれば、自分のこづかいも減らさねばならないということだ(ただし女性の50-60代でDIがやや持ち直しているのは、原因が不明。ある程度開き直っている人も出てきたということか?)。

「高齢者ほどおこづかいが減る傾向」「男性は50-60代、女性は30-40代においておこづかいが減った人が多い傾向」は、いわゆるDI値(「増えた」-「減った」)を算出すると良く分かる。

↑ 1年前と比較したおこづかいDI値(2010年2月時点)
↑ 1年前と比較したおこづかいDI値(2010年2月時点)

性別では40代までは男性より女性、年齢階層別では若年層より高齢層の方が、多くの人がこづかい減少を体験していることになる。ところが男性は50代で減少経験者の割合がピークになるのに対し、女性は50代以降逆にDIが戻す動きを見せている。元データを見ると「増えた」人が増加しているのではなく「変わらない」人が増え、「減った」人が減少しており、「どうにか同額で踏みとどまっている」人が50-60代女性において増えたようである。

もちろんDI値が大きくマイナスに振れていることに違いは無く、それはおこづかいの減少経験をしている人が多数に及んでいることを意味する。これは趣味趣向にかける費用の減少など、娯楽・ストレス解消の面でも大きなマイナス要素となる。ストレスの増加が気になるところだ。

ちなみに「給与所得が増えた・減った」別の、おこづかいの増減について尋ねた結果を挙げて置く。給与所得とおこづかいの相関関係(というより因果関係に近い)がよく分かるはずだ。

↑ 1年前と比較したおこづかいの増減(給与所得が増えた・減った別)(2010年2月時点)
↑ 1年前と比較したおこづかいの増減(給与所得が増えた・減った別)(2010年2月時点)

給与所得が増えているにも関わらずおこづかいを減らした・減った人が24.8%もいることに着目してほしい。前回調査の12.6%と比べると2倍近くにまで増えている。それだけ一層、「守り」の姿勢を固めている人が多いのだろう。

景気回復、特に内需拡大には個々の消費増加が不可欠の要素となる。その財源の少なからぬ部分は一人ひとりの「おこづかい」。景気回復には手取りの増加はもちろんだが、それと同じくらい、個人ベースでの消費マインドを温める必要があると断じざるを得ない。


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