「テレビを見る時間が減りました」49.6%……この2、3年で情報取得のためにメディアへ接する時間の変化を探る

2010/03/14 09:08

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テレビイメージWebマーケティングガイドなどは2010年3月11日、インターネットや既存マスメディアに対する生活者の利用意向に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、この2、3年で「テレビに接する時間が減った」と回答した人は49.6%に達していることが分かった。次いで多いのは雑誌で47.8%の人が減ったと回答している。少なくとも調査母体内では既存マスメディアへの接触時間は、確実に減少する傾向が確認できる結果となっている(【発表リリース】)。


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今調査は2009年11月27日から11月30日まで10-50代までの男女500人に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は500人。男女比は1対1、年齢階層比は10年区切りで均等割り当て。

この2、3年において視聴時間がどのように変化したかを、既存マスメディア4媒体とパソコン・モバイル経由のインターネットそれぞれについて尋ねたところ、「減った」派の回答率は既存マスメディアではいずれも4割を超える結果となった。一方で「増えた」派は1割前後でしか無く、後述するように全体的な流れとしては減少する傾向にあることが分かる。

↑ ここ2、3年の間の情報を得るメディアに接する時間の変化
↑ ここ2、3年の間の情報を得るメディアに接する時間の変化

今調査がインターネット経由で行われたものであり、いわゆる「デジタルデバイド」を考慮する必要がある(インターネットを使っている人だからこそ、インターネットに傾注した結果が出るのだろうという考え方)。しかし【テレビ-5%、新聞・雑誌-10%……2年間で起きた視聴時間の変化】【ネットの利用時間増は88.4%、テレビや新聞、雑誌は減少中】など複数の調査結果(インターネット経由の調査に限らず)でも同様の傾向を見せていることから、今結果は「インターネット利用層に限ったものではない」と考えた方が自然である。

各媒体別の傾向を見ると、減少層はテレビがもっとも多いものの、既存マスメディアでは大きな違いは無い。「減少4-5割」「増加1割」という状態。一方でパソコン(PC)経由のインターネット利用は「7割増加」「減少ほとんどナシ」と、全般的に増加している。

興味深いのは携帯電話経由のインターネット利用。増加は27.0%だが、減少も17.4%に達している。この理由はリリース上では言及されておらず、また公開されているデータからだけでは断ずることは出来ないが、

「元々フルに使っているのでこれ以上増えることはあまりない」
「この数年で時間をもてあます学生時代から就職し、携帯電話で時間を費やす機会そのものが減った」
「携帯電話の利用に少々飽きが来た、使い慣れて余計な時間を使わずに情報の取得ができるようになった」

などが考えられる。あるいはヘビーモバイルユーザーはパソコンをあまり使わないので、

「パソコン経由の調査にはモバイルヘビーユーザーはあまり反映されていない」

可能性も否定できない。

情報取得時におけるこれら各媒体毎の利用状況の変化をもう少し分かりやすくするため、大幅増加=2、小幅増加=1、変化無し=0、小幅減少=-1、大幅減少=-2で係数を当てはめて合計値を算出(DI値)した結果が次のグラフ。

↑ ここ2、3年の間の情報を得るメディアに接する時間の変化(DI値)
↑ ここ2、3年の間の情報を得るメディアに接する時間の変化(DI値)

見事に(?)既存4大マスメディアは大きくマイナス値を示し、インターネット系のメディアはプラスを見せている。繰り返しになるが、今調査はインターネット経由のために多少のバイアスがかかっていることは否定しないが、逆に「インターネットの普及率が7割後半に達している」(【インターネット普及率の推移】)ことを考えれば、さほど大きなぶれ(例えば「テレビの視聴DIは世間全体ではプラスである」)は無いと考えて良いと断じることができよう。


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