雑誌大幅マイナス継続中、インターネットはプラス10%超(経産省広告売上推移:2010年3月発表分)

2010/03/11 06:57

経済産業省は2010年3月10日、特定サービス産業動態統計調査において、2010年1月分の速報データを発表した。それによると、2010年1月の主要メディアにおける広告費売上高は前年同月比でマイナス8.2%と少なからぬ減少を見せていることが明らかになった。主要項目別では先月同様に「雑誌」がマイナス25.1%と、もっとも大きな減少率を記録している(【発表ページ】)。

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今記事のデータ取得や項目選択のあらましは記事一覧【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(経済産業省発表・特定サービス産業動態統計調査から)】で解説しているので、そちらで確認してほしい。今記事はその2010年1月分データの速報値を反映させたもの。なおそれより前のデータについては、速報値の後に発表される確定値で修正済み。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2009年12-2010年1月)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2009年12-2010年1月)

比較しやすいように先月発表データと並列して図にしてみたが、全体的にやや復調していた先月に続き、状況が多少は改善しているようすが見受けられる。ただし新聞・テレビは先月と比べて事態が悪化していること、雑誌は回復しているとはいえ前年同月比でマイナス25.1%と危険領域にあることに違いは無い。マイナス25.1%といえば、四分の一がざっくりと削られた計算になる。さらに今データは、リーマンショックの影響が大きく生じている2009年1月と比べての値であることを考えれば、その大変さも改めて理解できよう。

「インターネット広告は大きく躍進している。しかし、広告業全体を底上げするだけの規模を持っているのか」という疑問もあるに違いない。そこで今回も、2010年1月における各区分の売上高をグラフ化しておく。電通や博報堂の区分とは違うため、該当同月の両社データ【電通と博報堂の種目別売上高前年同月比をグラフ化してみる(2010年1月分)】とやや違和感を覚えるところもあるだろうが、参考値の一つ程度としてとらえてほしい。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2010年1月、億円)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2010年1月、億円)

実は今回取り上げた項目中では、インターネット広告はすでにラジオ、雑誌を超え、テレビ・新聞に次ぐ第三番目の規模にまで成長している。これなら全体を「ある程度」引っ張ったとしても不思議ではない。ちなみにインターネット広告は2009年の時点ですでに、雑誌広告の規模を上回っていたことが確認されている。ただし言葉通りテレビのケタ違いの大きさにはまだまだ太刀打ちできそうにないのも事実。

次に、公開されているデータの推移をグラフ化する。インターネット広告のデータが掲載されたのは2007年1月からなので、それ以降の値について生成したのが次の図。

月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2010年1月まで)
↑ 月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2010年1月まで)

ここ数か月の流れとしては「インターネットは回復、プラス圏に」「新聞・テレビ・ラジオはマイナス圏で低迷-やや下げ幅を縮小に」「雑誌はかなりマズいレベルの下げ幅を継続中」という傾向が確認できる。特に雑誌は、去年の春先以降新聞と共に他の媒体から下部にかい離を見せ始め、去年秋以降は同じ傾向を見せていた新聞が下落幅を縮小したことで余計に下げ幅が目立つようになり、歯止めがかからなくなってきている。先月の表現通り「フリーフォール状態」に突入した感すらある。

先の総務省統計局のデータを元にした分析記事【新聞や雑誌の買われ方はこの10年でどのように変化したのか……週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(追補編)】で触れているが、雑誌・週刊誌は「購入世帯数の減少」「購入世帯の購入冊子数の減少」というダブルパンチを受けている状態。これと今件の広告売上の減少ぶりを見ると、雑誌業界が尋常でない状況にあることがあらためて理解できるというもの。業界関係者は少なからぬ危機感を抱いているに違いない。

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