「テレビ」動向が電通ではプラスに推移(電通・博報堂売上:2010年2月分)

2010/03/10 05:14

【博報堂DYホールディングス(2433)】は2010年3月9日、同社グループ主要3社の2010年2月における売上高速報を発表した。これで[電通(4324)]が先の2010年3月5日に発表した単体売上高と合わせ、日本国内における二大広告代理店の直近月における売上データが出そろった事になる。今記事では両社の種目別売上高前年同月比をグラフ化し、広告全体及び両社それぞれの広告売上動向を眺めてみることにする。

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データ取得元の詳細や各項目に関する算出上の注意事項は【定期更新記事:電通・博報堂売上動向(月次)(電通・博報堂)】で確認してほしい。

二大広告代理店の2010年2月分種目別売上高前年同月比
↑ 二大広告代理店(電通・博報堂)の2010年2月分種目別売上高前年同月比

昨年1月分データと比べると、「雑誌」の下落度合い・「新聞」の軟調さから「紙媒体の凋落ぶりが見える」のは変わらない(ただし電通はそれでも前年同月比でプラスを見せている)。また「テレビ」の動向が電通ではプラスに推移しているのが大きな特徴(もっとも1年前の2月というと、いわゆるリーマンショックのダメージが大きくテレビCMに反映され始まったころなので、諸手を挙げて喜ぶことにはやや疑問が残る)。その一方、博報堂ではマイナス2.3%と、昨月(マイナス1.1%)よりさらに事態が悪化しているのが気になる。

会社別で見ると、先月以上に電通と博報堂の差異が生じているのが確認できる。

・電通……インターネットメディアをはじめ、いくつかの分野で特筆すべき伸び。金額的にはさほど大きくないが、大きなプラスを見せた意義はある。新聞やテレビでもプラスなのも注目に値する。
・博報堂……プラス項目はインターネットメディアのみ。雑誌や、マーケティング・プロモーションなど旧来性の強いメディアでの落ち込みも目立つ。

博報堂の特殊事情(2009年にグループ会社の再編を行った)ことも影響しているのも一因だが、以前から指摘しているように「多項目で電通への一極集中ぶり」の可能性は否定できない。広告を出稿する企業側も使える予算が限られてきたために「あちこち割り振るよりは集中依頼を」と考えているのだろうか。あるいは博報堂の事業再編がまだ進行中で、効果を生み出すまでには至っていないのかもしれない。いずれにせよ、市場の健全化には競争原理が必要不可欠なため、良い状況とは言えない。

インタラクティブメディア(インターネットメディア)の大きなプラス値に代表されるように、これらの値は二大広告代理店に限定されることなく、メディアそのものの構造変化と共に、景気動向を指し示す一つのバロメーターでもある。毎月発表している経済産業省の主要メディアにおける広告費売上高速報データと合わせ、今後の動向に注目していきたいところだ。

※今回計測月、つまり2010年2月はオリンピック効果が幸いしたのでは、とする意見がありました。確かに一理ある話で、その推論が正しいとすれば、3月のデータがますます気になるところです。

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