【更新】労働時間は変わらず、自宅にいる時間は増え、趣味にも時間を費やせず…進む「巣ごもり化」現象

2010/03/10 05:18

時間イメージインターネット調査会社のクロス・マーケティングが2010年2月26日に発表した消費行動に関する調査結果によると、調査母体においては1年前と比較して労働時間以上に睡眠時間が大きく減少する傾向があることが分かった。また、自宅で過ごす時間が増加する一方で、趣味に費やす時間も減少しており、残業などの減少で自宅滞在時間が増えた人が、自宅内で趣味に費やすだけの金銭的余裕も無く、費用のかからないテレビ視聴やインターネットへのアクセスなどで時間を費やす、いわゆる「巣ごもり現象」を起しているようすがうかがえる([発表リリース、PDF])。

スポンサードリンク


今調査は2010年2月8日から9日にかけて、20-69歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。年齢階層比は20代-60代でほぼ均等割り当て、男女比は1対1。なお今調査は2009年2月から3か月毎に実施されており、今回が5回目となる。当サイトでは同様の視点で前回のデータについて【残業減って働く時間は減少、では増えた時間は?】で考察を行っている。

残業をする機会も少なくなり、正社員として「定時帰宅」が出来るだけまだありがたい状況の昨今、日常生活における時間の費やし方にはどのような変化が生じているだろうか。調査時点で1年前と比較した時間の増減を「労働」「睡眠」「自宅で過ごす時間」「趣味に費やす時間」それぞれについて尋ねたところ、以下のような結果になった。「自宅で過ごす時間」が増加した人は3割に達し、減った人の2割近くを10ポイント強ほど上回っている。

↑ 1年前と比較した時間の増減(2010年2月と2009年2月それぞれの調査時点の結果)<br>
↑ 1年前と比較した時間の増減(2010年2月と2009年2月それぞれの調査時点の結果)

↑ 1年前と比較した時間DI値(増えた-減った)(2010年2月と2009年2月それぞれの調査時点の結果)
↑ 1年前と比較した時間DI値(増えた-減った)(2010年2月と2009年2月それぞれの調査時点の結果)

季節属性を考慮したことと、今回が第五回目となり「前年同期比」での比較ができるようになったことから、2009年2月時点での調査結果(つまり2009年2月時点で2008年2月と比べてどのような変化を見せたかの回答)と併記したグラフを掲載した。まず「労働時間」だが、昨年時点と比べるとマイナス幅は大幅に減少している。これだけを見ると状態の改善のようにも思えるが、それぞれその時点の1年前との比較であることを考えると、「2010年のDI値データは、2009年時点で2008年と比べて-7.0%減った状態から、さらに-1.0%減少している」と読み解くのが正しい。

これらを踏まえた上で直近の各種時間の状況についてまとめると、

・労働時間の減り方はほぼ横ばい。これ以上時短出来ないところまで削られた?
・睡眠時間は減少中。仕事に費やす以外のことで眠れない、眠る時間が取れない?
・自宅で過ごす時間は増加中。在宅時間には余裕が生まれつつある。
・趣味に費やす時間は減少。自分の趣味に没頭する金銭的余力が持てないのかも。

などの状況が推定される。労働時間が減り、自宅で過ごす時間が増えているのに睡眠時間が減っているのは、少々妙な話。DI値ではなくそれぞれの選択肢の要素で労働時間の項目をもう一度見ると、「増えた」人が増加、「減った」人が減少しているので、労働時間が上積みされた人が増加しているということなのだろうか。あるいは「ストレスなどによる不眠」「労働以外の時間拘束(例えば就職活動)に費やす時間が増えている」などが原因かもしれない。【経済で心配・不安を抱く人、日本は世界で3番目の多さに】などの結果を見ても、それは容易に想像できる。

「労働時間」が減り「自宅で過ごす時間」が増えたことは、残業が無くなる・時短などで会社に拘束される時間が減り、その分自宅にいる時間が増えたことを意味する。残業をするほどの仕事が会社側に受注されていない状況は前回調査(3か月前)の結果とさほど変わりない。

在宅時間は増えているのに
趣味の時間は逆に減少。
テレビや音楽、読書やネットで
何となく時間を費やす場面が
増えている?
それとも勉学に励んでいる??
「自宅で過ごす時間」が増えればその分個々の自由時間が増えるはずで、「趣味に費やす」時間も増えるはずだが、前回は逆に減少する傾向が見られた。今回も同様の、しかもより大きな規模での減少傾向が確認できる。在宅時間は増えたのに、自分の趣味に没頭する時間は減っている。好きなことをする時間はあるのにその時間が増えないのは、時間以外に趣味に没頭できない理由がある。そはり前回同様「趣味の堪能にあてるだけのこづかいも減らされているのが原因」と類推できる。

勤務時間が減り、自宅にいる時間が増え、でもお金が無いので趣味に没頭できない。と、なれば増えた在宅時間は何に費やされるのだろうか。家族の団らんや会話などなら、微笑ましいし喜ばしい話ではある(別項目で尋ねている「内食」のDI値は増加しており、それを裏付けるものとなっている)。しかし「趣味」に該当しない娯楽、例えばテレビ・音楽視聴や雑誌購読に充てられているとなれば、少々もの悲しいものがあるといわざるを得ない(同じく別項目の「携帯電話の通話料金」のDI値も増加しているのが気になるところ)。



今結果を見ると個々のストレスにおいては、仕事過多のストレスで「これ以上」さいなまされる可能性は低くなったものの、ストレス解消にも役立つはずの趣味趣向の時間はさらに減少を見せており、「趣味でストレス発散」がますます難しい状況に陥っている。そして自宅にいる時間が長い方がストレスがたまる人も少なからずいるだろう(特に男性サラリーマン諸氏)。それが睡眠時間を減らす一因となっているのかもしれない。ともあれ睡眠時間の大幅な減少は、健康にも悪影響を及ぼすので注意が必要である。

自宅で「趣味の時間」以外にどのようなことで時間を費やしているのか。今レポートでは断片的な部分しか見られない。お金もさほどかからずそれなりに楽しく、それでいて趣味で無い事といえば、例えば前述したようにテレビや雑誌、インターネットの視聴・購読・利用が思い浮かぶ。これでは(該当分野以外の)消費そのものが落ち込んでも仕方ないのかな、という感は否めまい。

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー