夫婦とも65歳以上のお年寄り世帯で「お医者さんまでは1キロ以上かかる」のは20.8%(2015年)(最新)

2015/03/16 11:20

歳を取ると医療機関のお世話になる機会が増え、通院の手間を考慮した場合、その近場に居住していることが望ましくなる。また万が一の不測の事態が生じた時のことを考えると、かかりつけの病院が近くにあった方が望ましく、日々の生活においても安心感を覚えさせる。それでは実情として、居住世帯と医療機関との距離はどのような関係にあるのだろうか。総務省統計局が2015年2月26日に発表した、2013年10月1日時点における住宅・土地統計調査の確定集計結果を元に確認していくことにする(【発表ページ:平成25年住宅・土地統計調査】)。

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以前内閣府の調査結果から、60代なら約1キロ、70歳以上になると約900メートルが「自宅から歩いて行ける距離」であることが明らかになっている(【歩きは1キロ、自転車は3キロ……普段の生活で行ける距離】)。タクシーや自家用車が使えればもっと行動範囲は広がり、近場にバス停があればバスを利用することもできるが、すべての人がその機会に恵まれているわけではない。また費用を考えると躊躇してしまうのも事実。

それらの諸事情や状況を勘案し、「自分の住まいから最寄りの医療機関までの距離」について、世帯の内情を高齢者が居るか否かを中心に仕切り分けし、確認をした結果が次のグラフ。全体なら17.0%の世帯が「自宅から医療機関まで1キロ以上あり、歩いて行くのには難儀させられる、近場に医療機関が無いと認識している」といった居住環境にあることになる。

↑ 最寄りの医療機関までの距離別世帯区分(2013年住宅・土地統計調査)
↑ 最寄りの医療機関までの距離別世帯区分(2013年住宅・土地統計調査)

世帯主が高齢者か否かに的を絞った仕切り分けで見ると、全体平均より近場にあることが多いのは高齢単身世帯。75歳以上に限定した高齢単身世帯も、1キロ以上の人こそ18.1%といくぶん多めだが、その代わり250メートル以内の人が35.5%と65歳以上の高齢単身世帯に次ぐ多さを占めている。高齢単身者は病的リスクを自認し、医療機関の近場に住むような努力をする傾向が強いようだ。

他方単身世帯以外では一般的に、世帯全体よりも高齢者が居る世帯の方が医療機関から遠いところにあるのが分かる。特に世帯主も含めとにかく高齢者がいる世帯や、いずれか一方のみが65歳以上の夫婦世帯では遠場の傾向が強い。賃料や地価の面で過ごしやすい地方の方が高齢者が多く、面積あたりの医療機関数が少ないことに加え、高齢者「以外」の世帯構成員が居ることで安心感がある、何かあった時の即時対応性が高いのが要因だろう。

歩きでおもむけない、つまり自動車などの移動機関を自前で持つか、タクシーを呼ぶ・バスを利用する機会が無い場合、救急車などを呼ぶしかない状況にあると考えることができる「医療機関までの距離が1キロ以上ある」場所に住んでいる高齢者が結構な割合に及んでいることに違いは無い。【「お年寄りがいる家」のうち1/4強・552万世帯は「一人きり」】でも触れているが、高齢化と共に単身の高齢世帯は増加する傾向にある。

すべての地域に対し、一定区間ごとに医療機関を配するのは(『シムシティ』のような都市経営シミュレーションゲームでも無ければ)リソース配分の上で事実上不可能。一方で、医療サービスを受け難い環境は高齢者にとり、不安なのも事実。往診サービスの拡充や定期健康診断の実施をするなり、無料や安価な地域バスの運行などの配慮が求められよう。他方、とりわけ万一の事態が発生した時のリスクが高くなる単身の高齢層世帯においては、ご近所づきあいを心がけ、助力を受けられるように心がけるべきである。

また発想を逆転し、医療機関に限らず各種設備が近場にある、整った環境下に集団で移住してもらう、集約化するという発想も検討すべきかもしれない。


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