土曜授業、賛成派は9割・理由は「授業数が足りないから」が多数

2010/03/09 07:01

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休みの教室イメージgooリサーチなどは2010年3月8日、学校(小中学校)における「土曜授業」などに関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、9割近くの人が「土曜授業は実施すべきである」と考えていることが分かった。半数近くは「毎週実施すべきである」とし、完全週休一日制を望んでいる。理由としては約四分の三の人が「現行の授業数では足りないから」と答えており、いわゆる「ゆとり教育」における授業コマ数の削減を否定する意見となっている(【発表リリース】)。


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今調査は2010年1月30日から31日にかけて、gooリサーチのモニターから無作為に選んだ20歳以上を対象にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1060人。男女比、年齢階層比は非公開。

以前は学校でも土曜日は「半ドン」として午前中のみ授業が行われていた。しかし早期から日本教職組合が「ゆとり教育」と共に「学校の週休二日制」を提起していた(生徒と教職員、どちらにとっての「ゆとり」であるかは不明)。その後1992年に第二土曜日が休業日になったのを皮切りに漸次土曜日を休業日に移行し、2002年からは全土曜日が旧行・学校の週休二日制がスタートしている。しかし土曜日を休業日にすることのメリット・デメリットを鑑み、デメリットの方が多いと判断した一部地域では独自の動き、あるいはさまざまな「仕組み」を活用し、土曜日授業を展開する動きが増えている(一例:【公立小中学校 土曜授業を…知事、大阪府教委に要請(読売オンライン)】)。

このような流れの中で、土曜日授業についてどう思いかについて択一で尋ねたところ、頻度は別として土曜日に授業を行うべきであると回答した人は88.9%にも達した。現行の「完全週休二日制が良い」という意見は1割強でしかない。

↑ 土曜授業についてどう思うか。
↑ 土曜授業についてどう思うか。

「実施すべき派」の意見は大体二分されており、「完全実施」が47.1%、「月二回実施」が35.1%となっている。全部か半分かという表現をすれば分かりやすいだろうか。後者は「実施すべきだが土曜日が休みな現行制度も捨てがたい」という、やや中庸的な考えなのかもしれない。

それではなぜ「土曜日休業を配し、土曜日授業を実施すべき」なのか。そのように回答した人に理由を択一で尋ねたところ、四分の三近くが「現行の授業数では足りない」と答えた。

↑ なぜ土曜授業を実施すべきか(実施すべきと回答した人限定)
↑ なぜ土曜授業を実施すべきか(実施すべきと回答した人限定)

土曜日授業再開を望まない人たちの意見として「土曜日授業を行うと家庭の負担が減るから、楽をしたいんでしょう」と意地悪なものもある。しかしそのような意見は実際には7.8%でしかない。元々土曜日を休業としたのは「授業コマ数を減らしてゆとりを持たせるため」とする意図が強いが、いざ削って色々な功罪をみたら「やっぱり削るのは良くないよね」という結論に落ち着いたようだ。

学校の週休二日制については「国の制度」であるため、おいそれと変更することは難しい。しかし功罪を天秤にかけると後者の方が大きいとされる昨今においては、軌道修正・教育施政の方針変更もあってしかるべきだと思われる。大人の事情・大人の視点から見るのではなく、子供の視点で、そして子供の将来を熟考した上で、正しい判断をしてほしいものだ。


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