一年以上失業で求職中な若年層は38万人…失業期間別に見た完全失業者数の推移をグラフ化してみる

2010/03/09 07:10

先に【前年比マイナス32万人、派遣社員受難時代到来…非正規社員の現状をグラフ化してみる】などでも取り上げたように、総務省は2010年2月22日、2009年における労働力調査(詳細集計)の速報結果を発表した(【労働力調査(詳細集計) 平成21年平均(速報)結果:発表ページ】)。そこには2009年、あるいは2009年を含む過去数年間における、日本の労働環境や雇用問題における各種データが盛り込まれている。今回はその資料から、「失業期間別に見た完全失業者数の推移」についてチェックを入れてみることにする。職を探しているがなかなか見つからない状態がどの程度継続しているのか、またどれくらいの人数がいるのかなどが把握できるはず。

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おおもとのデータは「労働力調査(詳細集計) 平成21年平均(速報)結果」の「グラフを用いた解説・全文」から。ちなみに「完全失業率」とは【辞めさせられたけど再就職をあきらめる人が増えている!? 統計局の「完全失業率の急上昇」をざっと読み通す】でも説明しているように、「完全失業者÷労働力人口×100(%)」。統計局の場合には「仕事についていない」「仕事があればすぐにつくことができる」「仕事を探す活動をしていた」のすべてに当てはまる人が「完全失業者」に認定される。また、2009年における完全失業者数は(卒業者)325万人という結果が出ている。これに卒業者以外の人11万人を合わせ、336万人が完全失業者数となる。

↑ 失業期間別にみた完全失業者(年齢階層別、万人、2009年)
↑ 失業期間別にみた完全失業者(年齢階層別、万人、2009年)

万単位以下は省略してあるため、各年齢階層の期間別合計(赤文字)を足しても336万人にならないのはご容赦願いたい。この図を見ると、25-34歳の年齢階層で「1年以上求職しているが未だに職が見つからない人」(求職をあきらめた人は非労働人口にカウントされるので、こちらには反映されない)が26万人もいることが分かる。また、当記事タイトルにもあるように、15歳-24歳層の12万人も合わせた「15-34歳層での1年以上求職中な人」は38万人。全員がすべて120%気合い入れまくりで必至に職を探していると断じることはできないが、決して少ない数では無い。

若年層の「1年以上失業中」人数は
ここ数年減少傾向にあった。
しかし2009年においては増加している。
ちなみに同じような計算で2008年分を抽出すると32万人、2007年も同じく32万人、2006年は35万人となり、実はこの数年の間は減少傾向にあったことが確認できる。もっとも、若年層の数そのものが減少気味であることや、就職活動をあきらめた人がいることを考えると、減少するのは当然であり、むしろ2009年の増加が思った以上に深刻であることを裏付ける形となる。

また、若年層とは別に高齢層(55歳以上)の長期間失業者の数も多い。年齢制限による再就職が難しい現状を示しているといえよう。

完全失業者数は2008年から上昇へ・求職期間パターンは前回不景気期と同様?
続いて、今回データが公開された2002年-2009年における、失業期間別に見た完全失業者数の推移。2007年までは漸減していたがその流れも2008年でストップ。2009年には大幅に増加している様子が確認できる。

↑ 失業期間別にみた完全失業者の推移(万人)
↑ 失業期間別にみた完全失業者の推移(万人)

↑ 失業期間別にみた完全失業者の推移(割合)
↑ 失業期間別にみた完全失業者の推移(割合)

期間別の割合が、2009年が前回不況期の2002年と似ているパターンを示しているのが気になる。それだけ景気悪化による再就職が困難な状況を指し示しているともいえる。

なお、「雇用状況が悪過ぎて就職活動をあきらめた人が増えているから、一部で言われている”真の完全失業者”はこんなものではない」「世界の基準と比べれば、日本の算定値は甘すぎる」と言う意見もあるだろう。そのあたりの疑問については【統計局の労働力調査に関するQ&A】にじっくり目を通して確認してほしい。頭の中のもやもやも瓦解するに違いない。

また、詳細は後ほど機会を改めて解説するが、「非労働力人口のうち就職を希望する人(要は「就職活動はしていないが、就職したいと考えている人」)」の数は2004年まで横ばい、以後漸減、2009年になって再び増加を見せており、完全失業者数の推移とほぼ同じ動きを見せている。つまり「完全失業率の増加は緩やかだが、その分『隠れ失業者』が急増してるに違いない」という心配は杞憂でしかないと、ここで加えておこう。

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