駅施設、衝動買いが大多数、駅ビル5割・エキナカ7割

2010/03/05 06:57

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キヨスクイメージ【JR東日本(9020)】のグループ会社ジェイアール東日本企画は2010年3月4日、首都圏の駅消費実態に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、駅の商業施設を利用する人の多くは移動中に来店・購入を決めた衝動的(思い付き的)なものであることが分かった。駅の改札外・周辺にある駅施設(例えば駅ビル)では5割強が、駅の改札内にある「エキナカ」と呼ばれる店では実に7割強が、「店そのものを見た時」や「前に居た場所を出た後の移動中」に、来店・買い物を決めている。


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今調査は2009年7月1日から7日にかけて、東京駅30キロ圏の市区町村在住の18-49歳男女(高校生を除く)に対してインターネット経由で日記形式にて行われたもの。不動産、車などの大型消費、金融商品、医療費、交通費、生活固定費などは調査対象外とし、日常的な生活様式内での行動に限った回答をしてもらっている。サンプル数は2750人。具体的な年齢階層比・男女比は非公開だが、2005年度の国勢調査の人口構成比に合わせて性年代・移住地を割り付けている。買い物件数の合計は3万1091件。

買い物地点別に、その店舗利用(来店と具体的な買い物)を尋ねたところ、買物全体では39.5%が移動中の衝動買い的な買い物という結果が出た。グラフでは赤系統の色付け・黒枠塗りの部分がそれに該当する。

↑ 買い物地点別・店舗利用を決めたタイミング
↑ 買い物地点別・店舗利用を決めたタイミング

それに対して改札外の駅施設(駅ビルなど)やエキナカ(キヨスクなど駅の改札内の店)では、移動中の衝動的な(ふとした「気付き」での)来店・買い物決定率が高い。前者では52.2%、後者では実に72.7%もの人が、「事前にそこで買い物をするつもりは無かったけど、お店を見た時につい、あるいは移動中にふと気がついて来店・買い物をした」と答えている。

これらのことから、駅内外の商業施設の買い物は、その多くが「ふとしたきっかけで」「衝動買いで」行われていることが分かる。いわば「インパルス・ショッピング」というところか。通常の商業施設との購入パターンの違いは、注目すべきポイントといえよう。

店舗の業態別で見ると、もう少し違った事実が見えてくる。

↑ 業態別・店舗利用を決めたタイミング
↑ 業態別・店舗利用を決めたタイミング

業態別で見ると、もっとも「衝動買い」率が高いのは「駅売店」。衝動買い率では高そうな「自動販売機」よりも高い率を示している。そして「駅ビル」もその「自動販売機」に近い数字を見せており、駅内外の商業施設はちまたにあふれている「自動販売機」と同等、あるいはそれ以上の「衝動買いを起させる要素を持ち合わせている」ことになる。

ちなみに当サイトでもよくスポットライトを当てる「コンビニエンスストア」は45.8%。わずかに「駅ビル」には及ばないものの、かなり高い衝動買い率を示している。逆に「ホームセンター」「家電量販店」「大型専門店」などの「安い商品が豊富な品ぞろえで用意してある」店では、あらかじめ事前に目的を決めた上で足を運んでいる人が多いことも確認できる。店舗業態毎の消費行動の違いを見る一つの材料として、興味深い結果といえる。



今データはあくまでも「東京駅30キロ圏の市区町村在住」に限定された結果であるため、世間一般的の傾向と比べると、やや偏りが生じている可能性はある。しかし駅内外の商業施設の利用形態がどのようなものであるかを知るには、十分過ぎる内容といえる。また、その他の商業施設との違いを検証する上でも、貴重なデータといえよう。

なお今回発表されたリリースには、今件以外にも消費者の行動パターンをかいま見れる貴重なデータが複数盛り込まれている。これらについてき機会を改めて紹介したい。


■関連記事:
【「駅の売店では新聞・雑誌が売れないらしい」を確かめてみる】


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