2009年は68万人・年々増加中…35歳以上の高齢フリーターの推移をグラフ化してみる

2010/03/05 07:05

先に【2009年は178万人、減少していたフリーターも不景気で再び増加へ・フリーターの推移をグラフ化してみる】で、15-34歳における、いわゆる「フリーター」の動向についてグラフなどを通じて現状をかいま見た。概要としては「派遣叩きや不景気でフリーターは再び増加傾向に」「年長フリーターの増加など高齢化傾向が確認できる」というものだった。その文末に「35歳以上となりフリーターの定義からは外れたが、雇用の上では同じ状況を維持している人たちはどうなのだろうか」というネタ振りをしておいた。今回はその件についてデータを見てみることにする。なお今回対象者の年齢は「35-54歳」とし、彼らを「高齢フリーター」と呼称する(実際には「壮齢フリーター」の方が適切なのだが、世間一般には「高齢フリーター」の方が浸透しているようなので、今回はこちらを利用することにした)。

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元データは総務省が2010年2月22日に発表した、2009年における労働力調査(詳細集計)の速報結果(【労働力調査(詳細集計) 平成21年平均(速報)結果:発表ページ】。今回はこの中の「労働力調査(詳細集計) 平成21年平均(速報)結果」の「グラフを用いた解説・全文」から該当項目を抽出、再構築している。

先の記事では「年長フリーター(25-34歳)が増加している」のが把握できたが、彼らも経年と共に35歳以上となり、一般定義の「フリーター」からは除外される。しかし雇用上の立ち位置が変わらなければ、事実上「フリーター」と同じ。そこで冒頭にもあるように、「高齢フリーター」的な立場の人の推移を追ったのが次のグラフ。55歳以上になると通常雇用されていた人の退職者も混じってくるためか、35-54歳の範囲で統計が取られている。

↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」の推移(万人)
↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆる「高齢フリーター」)の推移(万人)

定義としては35-54歳で、「男性は卒業者、女性は卒業で未婚の者」で、「パート・アルバイトとして雇用されている」「完全失業者で探している職種がパートかアルバイト」「非労働人口で、家事も通学もしていない人のうち、就業内定をしておらず、希望する仕事の形式がパート・アルバイト」のいずれかに該当する者。

2009年時点で「高齢フリーター」は68万人。うち、35-44歳は42万人・45-54歳は26万人。先の記事で解説した、本来の意味での「フリーター」が2002年以降しばらく減少していたのに対し、「高齢フリーター」はほぼ一貫して(多少の起伏はあるが)増加する傾向を見せているのが分かる。35歳になったら突如フリーターを脱し、雇用上の安定感を得ているわけではなく、35歳以降も引き続き不安定な雇用情勢に置かれている人がいて、それが年々増加しているわけだ(無論自分から望んでそのライフスタイルを維持している人も多数いるだろうが)。

しかも階層別で見ると「45-54歳層」はほとんど横ばいなのに対し、「35-44歳」の増加が著しいのが分かる。このことから、本来のフリーターの「25-34歳」の人たちが逐次歳をとり、この層に加わって「高齢フリーター」の数を押し上げていることが容易に想像できる。

年齢層人口に対する構成比率の変移を見ても、「35-44歳」層の増加は明らか。

↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」の中高年層人口に占める割合
↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆる「高齢フリーター」)の中高年層人口に占める割合

本来の「フリーター」における年長組「25-34歳」層が増加を続けていること、そして直近では雇用情勢が改善される見込みは薄いことを合わせて考えると、今後「高齢フリーター」、とりわけ「35-44歳」層は増加の一途をたどるものと思われる。



繰り返しになるが「(高齢)フリーター」がすべて悪い、というわけではない。そのようなライフスタイルを望む人も多数いることが想像できるからだ。しかし一方で、フリーターから抜け出たい希望を持っているにも関わらず、悪循環の繰り返しでフリーターの立場に居続けざるを得ない人も大勢いることは間違いない(雇用する側の立場で考えれば、それは容易に理解できるはず)。

このような状況に対し、どんな手を打たねばならないのか。該当者一人ひとりの意識改革と共に、公的機関がすべきことは多い。まずは効果のある対策案を模索すべきだが、雇用情勢そのものが悪化している昨今においては、後回しにされがちなのも否めないのが現状……と言うところだろうか。


■関連記事:
【フリーター・ニートは減少中、ただし年長フリーターは……労働経済白書から】

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