31.3%は「希望する種類・内容の仕事がない」…完全失業者の「仕事につけない理由」とは?

2010/03/03 06:24

先に【日本の学歴・年代別失業率をグラフ化してみる(2009年版)】などでも取り上げたように、総務省は2010年2月22日、2009年における労働力調査(詳細集計)の速報結果を発表した(【労働力調査(詳細集計) 平成21年平均(速報)結果:発表ページ】)。そこには2009年、あるいは2009年を含む過去数年間における、日本の労働環境や雇用問題における各種データが盛り込まれている。今回はその資料から、完全失業者の仕事に就けない理由についてかいま見ることにする。

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おおもとのデータは「労働力調査(詳細集計) 平成21年平均(速報)結果」の「グラフを用いた解説・全文」から。ちなみに「完全失業率」とは【辞めさせられたけど再就職をあきらめる人が増えている!? 統計局の「完全失業率の急上昇」をざっと読み通す】でも説明しているように、「完全失業者÷労働力人口×100(%)」。統計局の場合には「仕事についていない」「仕事があればすぐにつくことができる」「仕事を探す活動をしていた」のすべてに当てはまる人が「完全失業者」に認定される。

さて、2009年における完全失業者数は325万人という結果が出ている。そのうちある程度理由が明確化しているものについてまとめた結果が次のグラフ。もっとも多い理由は「希望する種類・内容の仕事がない」とするもので、104万人の人が該当している。

↑ 仕事につけない理由別完全失業者(2009年、万人)
↑ 仕事につけない理由別完全失業者(2009年、万人)

グラフ上の人数の合計が325万人に達しないのは、「その他の事由」があるため。また、経年人数変移グラフの作成は略するが、実は「賃金・給与が希望と合わない」という回答者数は2002年以降ほぼ横ばいを続けており、その一方で「希望する種類・内容の仕事がない」「求人の年齢と自分の年齢が合わない」「条件にこだわらないが仕事がない」の回答人数が2008年から2009年にかけて急増している。2009年は雇用情勢が急激に悪化したことがうかがえる。

これを年齢階層別にみると、世代別の失業事情を見ることができる。

↑ 完全失業者の仕事につけない理由別割合(2009年)
↑ 完全失業者の仕事につけない理由別割合(2009年)

・若年層ほど「技術・技能」不足が多い
・家族を抱えているからか、中堅層は「勤務時間・休日」などの条件がクリアできないことが多い
・どの年齢階層も「条件にこだわらないが仕事がない」割合は一定率存在する
・若年層ほど「希望する種類・内容の仕事がない」(A)
・高齢層ほど「求人の年齢と自分の年齢が合わない」(B)

特に最後の2項目は顕著な傾向として現れている。まず(A)だが、【職種別有効求人倍率をグラフ化してみる】でも解説した「仕事における需要と供給のミスマッチ」が多分に作用していると見るべきだろう。さらに「技術・技能」が不足しているからこそ、希望職種・内容が限定してしまうというパターンも少なからずあると考えると、単純な「ミスマッチ」以外に「経験・技能不足による選択肢の少なさ」がわざわいしている場合も容易に想定できる。

一方(B)は「年齢のミスマッチ、ハードル」が問題。本人はやる気(、さらには遂行能力)があるが、年齢という越えられない壁が立ちはだかり、職につくことができない状態。一般職における再就職は30代までというのが通例で、40代が含まれる「35-44歳」の層から「求人の年齢と自分の年齢が合わない」比率が高まるのも合点がいく。



【職種別有効求人倍率をグラフ化してみる(2010年1月更新版)】にもあるように、雇用情勢は厳しい状態が続いている。とはいえ、求める職種の求人がまったく無いわけではなく、今記事にもあるようにさまざまな問題点が就職を難しくさせている。

逆に、その「問題点」を解決すれば、雇用問題を改善できるという考え方もある。さすがに年齢をさかのぼらせることは不可能だが、条件のミスマッチは情報の集約と容易な検索ができる環境の整備、経験・技能不足はそれらを習得させることで(本来これは学生時代にある程度成していなければならない)、状況を改善させることができるだろう。


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