音楽を楽しむために何を使った? トップはテレビでもFM放送でもカラオケでもなく…(2010年発表)

2010/03/04 06:54

日本レコード協会は2010年2月25日、2009年度の「音楽メディアユーザー実態調査」の報告書を公開した。それによると調査母体においては、過去半年間に「音楽を楽しむために利用した商品やサービス」としてもっとも多くの人が挙げたのは動画共有サイト【YouTube】であることが分かった。49.6%とほぼ半数の人が回答している。一方で今後利用したい・利用を増やしたいものとしてはYouTubeを超えて「コンサート・ライブなどの生演奏」を挙げる人が最多回答を得ていた。デジタルを活用して無料でいつでも曲に聴き入り、時には現場で肌身を持って曲を堪能するという、一点豪華主義的な楽しみ方がうかがえる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2009年9月2日から7日にかけて12-69歳の男女に対してインターネット経由で行ったもので、有効回答数は5024人。男女比は1対1、日本を5つの地域に区分した上での地域別・年齢階層別はほぼ均等割り当て(中学生がやや少なめ、高校生、大学生・専門学校生がやや多め)。

調査時において過去半年間、つまり2009年3月から8月において、音楽を楽しむために利用した商品やサービスを複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人が選択した項目は「YouTube」だった。49.6%とほぼ半数の人が利用している。

↑ この半年間に音楽を楽しむために利用した商品やサービス
↑ この半年間に音楽を楽しむために利用した商品やサービス

注目したいのは、YouTubeそのものの値もさることながら、FMラジオやAMラジオ、そして何よりもテレビ(BS放送含む)以上の値をYouTubeが占めていること。今調査がインターネット経由というバイアスがかかっていることがあるが、それでもなおこれらの既存媒体を超えて「音楽を楽しむのにインターネットのサービスの一つ、YouTubeを使った」という結果が出たのは、驚くべきことではある。

それでは「直近の過去」ではなく、「今後」の意向はどうだろうか。今後音楽を楽しむ際に利用を増やしたい・減らしたい商品やサービスについてそれぞれ聞いた結果が次のグラフ。

↑ 今後利用を増やしたい/減らしたいサービス
↑ 今後利用を増やしたい/減らしたいサービス

「増やしたい」だけに限定すると「コンサート・ライブなど生演奏」がトップ、「YouTube」「カラオケBOX」が次いでいる。なお「当てはまるものがない」も3割に達しており、現状で満足してこれ以上増やしたいとは考えていない人もそれなりにいることが確認できる。

一方で「減らしたい」を見るとこちらは「カラオケBOX」「飲み屋・喫茶店のカラオケ」「テレビ(BS含む)」の順。ただしこれらはいずれも低い値でしかなく、81.1%が「当てはまるもの無し」と答えていることからも、とりわけ音楽との接触を減らしたい・使っている手段を変えたい人は少数派であることが分かる。

このグラフは細々として少々分かりにくいので、「増やしたい」から「減らしたい」の値を引き、DI値を求めたのが次のグラフ。「コンサート・ライブなど生演奏」「YouTube」の2つが他を抜きんでているのが確認出来る。

↑ 今後利用を増やしたいサービスDI値(増やしたい-減らしたい)
↑ 今後利用を増やしたいサービスDI値(増やしたい-減らしたい)

さすがにマイナス値を見せる(=減らしたい人の方が多い)項目は無いが、各商品・サービスのすう勢がかいまみられるようで興味深い。



冒頭でも触れているが、今調査結果項目を見る限りでは「普段はYouTubeなどでお気軽音楽視聴」「時にはお気に入りな歌手などの曲を生で聴き入る」という両極端、一点豪華主義的な音楽の楽しみ方が見えてくる感がある。従来はテレビが「お気軽視聴」部分を担っていたのだが、好きな時に視聴でき、検索機能も備え、縦横無尽に曲を聴けるインターネットサービスの長所に多くの人が魂を奪われた形だ。

曲を提供する側もYouTubeなどをはじめとした新しいメディアを毛嫌いする事無く、むしろ有効に活用するよう、知恵を絞るべきではないだろうか。


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