若年層の意見力は団塊世代の三分の一!? 投票者ピラミッドをグラフ化してみる

2010/02/28 09:30

投票イメージ以前【選挙運動のネット利用解禁、賛成32.5%・反対14.3%・過半数は判断保留】【ネット選挙運動、賛成4割・「判断できない」も4割強】などで、若年層の選挙参加問題や、それに関連して政策が若年層から離れつつあることについて触れた。他方【選挙参加68.8%・成人式参加は70.0%…新成人の「権利」や「しきたり」への参加意向】にもあるように、若年層にも「投票しないとどうにもならないじゃん」的な意識が芽生えている気配も感じられる。そんな中、先日、日経ビジネスオンラインで[子供にも1票で「シルバー民主主義」は変えられる?「機会費用」「デーメニ投票法」で考える政策の高齢者バイアス]なる記事が掲載された。要は「高齢化で有権者の数も有効投票率もシルバー世代が増えた。若年層は投票参加コストも高く投票率は低いが、シルバー層は低コストなので投票率も低い。ますます政策決定に高齢者層の移行が強く反映される。だったら未成年にも選挙権を与えると共に、世代をこえた問題意識の共有を行うべきだ」とする意見。正しいか否かは別として、その記事に興味深い「投票者ピラミッド」なるものが掲載されていたので、今回はこれを独自に作りなおしてみることにした。

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取得元となったのは、【選挙投票率、ネット利用者でも「若低老高」】で作成した「第45回衆議院総選挙・年齢階層別投票率」のグラフの元データになった、2009年8月30日に行われた第45回衆議院総選挙の関連データを公開している【総務省の公式ページ】。ここから「第45回衆議院議員総選挙における年齢別投票状況」のデータを拝借する。これは 全国の5万0978投票区の中から188投票区(47都道府県×4投票区)を抽出し、抽出された投票区について男女別及び年齢別に投票率を調査したもの。各都道府県から標準的な投票率を示している1市1区1町1村を抽出しているとのこと。このデータを元に、男女別で有権者数と実際に投票した人の実数をピラミッド型のグラフ化したのが次の図。再録の形で純粋な投票率のみのグラフも併記しておく。

↑ 第45回衆議院総選挙・年齢階層別投票状況(性別・年齢階層別有権者数と投票数、投票状況調査地区における結果)
↑ 第45回衆議院総選挙・年齢階層別投票状況(性別・年齢階層別有権者数と投票数、投票状況調査地区における結果)

↑ 第45回衆議院総選挙・年齢階層別投票率(再録)
↑ 第45回衆議院総選挙・年齢階層別投票率(再録)

元々少子化で若年層の人口は他の年齢階層と比べると少なめになっている。さらに参照記事本文中にもあるように、投票コストは若年層の方が高い(やらねばならないこと、やりたいことが多く、投票に参加するための時間や手間が惜しい)ので、投票率は低くなる。当然選挙権があるのに投票しない人(男女とも薄い部分)が増え、自分らの年齢階層における有効投票者数は減少してしまう。

先に投票率について言及した記事で、「若年層と団塊世代層とでは約2倍の差がある」と触れたが、投票者数で見ると実に男性で2.49倍、女性の場合は3倍近い差(約2.63倍)が出ているのが分かるだろう。つまり、政治家から見れば(ざっくばらんに表現すれば)若年層3人と団塊世代1人は同じ重きという計算になる。これではいわゆる「シルバー民主主義」となって当然。

だがこれが「ゆがんだ状態」であることにも違いない。問題なのはそれを(薄々)感じつつも「半ばあきらめてしまう若年層」「自分の既得権益を手放すのが惜しくて動かない団塊世代」の双方の意識にある。参照記事の「未成年者への投票権授与」は正直どうかな、というところもあるので(選挙権を20歳から18歳に下げるなどの考え方はありかもしれない)、むしろいかに「グラフ上側の、薄い色の部分を濃い色で塗りつぶしていくか」、具体的には「若年層の投票率を上げていくか」にあると思われる。

それには「投票コスト」を下げるのが一番手っ取り早い。最終的には「電子投票」を投票手法の一つ(電子投票「も」可能とする。「のみ」では無い)とするのが最良の手立てなのだろうが、その過程として今論じられているのが「インターネット上での選挙活動の解禁」。すでに導入している国の実証事例に従い、さまざまなルールを設ける必要があるものの、「”広く”民意を反映する」のならば、否定する理由は何もないと思うのだが、どうだろうか。

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