経済産業省データを元に媒体別広告費の推移をグラフ化してみる(2009年分)

2010/02/24 12:20

グラフイメージ先に【ネットと衛星のみプラスで全体は前年比マイナス11.5%の5兆9222億円…電通発表の「2009年日本の広告費」をグラフ化してみる】で[電通(4324)]の発表資料【「2009年(平成21年)日本の広告費」(PDF)】を元に、媒体別広告費の変遷をグラフ化した際、「より精密度の高いものについては官公庁の発表を待つしかない」云々とした件。実はこれ、毎月定点観測をしている、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」のデータに他ならない。直近記事は【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移をグラフ化してみる(2010年2月発表分)】。今回はこのデータを元に、電通のと同じ方式で経年グラフを作成してみることにする。

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具体的なデータの保存場所は【こちら(長期データ)】。ここから広告業の実数データを抽出し、計算をした上でグラフ化する。2005年までは「プロモーションメディア広告など」の項目に「インターネット広告」が入ってしまっていること、電通区分で「衛星メディア関連広告」が区分されておらず「プロモーションメディア広告など」に含まれてしまっていることなど、多少の差異があるが、大体同じような形でデータを取得できる。

まずは積上げ推移。なお、今グラフも4大既存メディアを黒枠で囲い、区分として見やすくしておいた。

↑ 媒体別広告費(積上げ推移、1988-2009年)(経済産業省データより)
↑ 媒体別広告費(積上げ推移、1988-2009年)(経済産業省データより)

電通データよりやや古い時期からの数字なだけに、色々と感慨深いものがある。【過去20余年の媒体別広告費の移り変わりをグラフ化してみる】でも触れているが、やはり景気が良い時は広告費も大きくなり、景気が後退すると広告費も減退する。

また、それとは別に各メディアの事情……例えばテレビ広告費は2000年前後がピークであとは減少傾向を見せていたこと(【民放連曰く「諸君らが愛してくれたテレビの広告費は減った。何故だ!?」】も参照のこと)、4大既存メディア以外の広告部門はこの二、三年の急激な落ち込みを除けば堅調に推移していたことなどが分かる。

機会を改めて触れることにするが、例えば新聞や雑誌の広告費はこの10年で半減。ラジオも4割減。広告費と利用率・媒体力はそのまま直結するわけではないが(景気動向やライバル媒体とのパワーバランスも影響する)、時代の流れを感じさせる。

次に構成比推移。

↑ 媒体別広告費(構成比推移、1988-2009年)(経済産業省データより)
↑ 媒体別広告費(構成比推移、1988-2009年)(経済産業省データより)

先の電通資料から作成したグラフで「インターネットと衛星メディアが既存4大メディアの広告費、特に新聞と雑誌を押しのけている」とコメントしたが、それが2006年以降に起きていることがはっきりと分かるだろう(もっとも今グラフでは衛星メディアがプロモーションメディア広告に入っているので少々分かりにくいが)。

また、テレビの構成比はさほど落ちていないが、新聞、雑誌の構成比が随分と減少している。これは広告費全体の上下に関わらず、この2媒体への広告費が落ち込んでいることを改めて認識させるものといえる。



多少の違いはあれど、媒体別広告費の状況について把握できる事は、電通資料の推定値でも今回の経済産業省発表のデータでもさほど変わりは無かった。あくまでもこれらは広告費の推移であり、部数・視聴者数の推移や媒体力、その業界の売上とはまた別のものではあるが、それぞれの媒体の「パワー」を示す一つの指針と見てよいだろう。

上記グラフで黒枠にて囲った各メディアが今世紀に入ってから、特にこの数年、色々と「はてなマーク」を浮かべたくなるような動きをしているのも、あるいはこのような実情を受けての焦りがあるのかもしれない。

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