ネットと衛星のみプラスで全体は前年比マイナス11.5%の5兆9222億円…電通発表の「2009年日本の広告費」をグラフ化してみる

2010/02/23 05:57

[電通(4324)]は2010年2月22日、2009年における日本の総広告費や媒体別・業種別広告費を「推定した」統計「2009年(平成21年)日本の広告費」を発表した。それによると2009年の日本の広告費は5兆9222億円となり、これは前年比で11.5%の減少となった。媒体別ではインターネットと衛星メディアが前年比プラスとなり、それ以外はすべてマイナスを示している(【発表リリース、PDF】)。

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あくまでも電通推定値ということだが、2009年の日本の広告費は不景気を背景に2年連続で前年実績を下回っている。企業の業績不振に伴う広告費の削減の影響は大きく、さらに各種媒体を取り巻く環境の変化に広告費のスライドが対応しきれていないのが要因。とりわけ既存4媒体・メディアと呼ばれるテレビ・新聞・雑誌・ラジオの減退は、元々絶対金額が大きかっただけに、広告費全体に占めるマイナス影響を大きなものとしている。

さて同資料では21日の時点で昨年同様に各種表組みも掲載されていたのだが、当記事作成時点(22日早朝)ではざっくりとその部分が削除されている。サーバー負荷による一時的な措置と信じたいが、今回は残ったリリースと各メディアでベタ貼りされた資料の一部を元に、グラフ化をしてみることにする。

まずは2009年の広告費における前年比。2008年から2009年の間に、各媒体で広告費に関してどのような動きがあったかがよく分かる。

↑ 2009年媒体別広告費前年比
↑ 2009年媒体別広告費前年比

【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移をグラフ化してみる(2010年2月発表分)】などでも解説しているように、既存4大媒体(既存4大メディア)の中では「雑誌」の落ち込み具合が群を抜いている。一方、テレビは4媒体中もっとも減退率が低いが、絶対額が大きいため、全体に与える影響が大きいのも事実。

また、前年比でプラスを見せたのは冒頭でも触れているようにインターネット広告と衛星メディア関連広告のみ。プラスの値は小さいが、むしろこのような状況でよくぞプラスを見せたものだと思えてくる。

続いて前年比ではなく、絶対金額のグラフ。

↑ 2009年媒体別広告費(億円)
↑ 2009年媒体別広告費(億円)

既存4大媒体、中でもテレビが未だに大きな広告費を占めているのが分かる。また、一部報道でも伝えられているように、金額の面でインターネット広告費全体が新聞を抜き、テレビに次ぐ金額を見せている(もっとも電通の区分ではインターネット広告費は「媒体費」「広告制作費」に区分されているため、その区分で比較すれば未だに「新聞」の方が上なのだが)。

個々の項目の金額はこれで分かるが、広告費全体に占める比率はどのようなものかが気になるはず。それを示したのが次のグラフ。せっかくなので2007年から3年分をまとめて掲載。変移も見て取れる。

↑ 媒体別広告費(構成比推移)
↑ 媒体別広告費(構成比推移)

既存4大媒体は青系統でまとめ、さらに各項目を黒線で囲い、区別がつきやすいようにした。野外広告(薄緑)はほとんど変わらず、インターネットと衛星メディアが既存4大メディアの広告費、特に新聞と雑誌を押しのけているのが分かる。テレビは逆に比率を増やしているが、これは前年比の比率における減退スピードが他のメディアと比べて緩やかなのと、絶対額が大きいため。

既存4大媒体でも各種技術進歩や創意工夫は進んでいるが、インターネットなどと比べると足踏みしているレベルでしかない。そもそも論として「効果測定」の点で大きな差異が生じている以上、広告費の効果的活用を望む広告出稿側としては、「より透けて見える」方へ移行するのは当然の話。ただ、移行する先のメディアがまだ発展途上のため、対処しきれていないのが現状で、結果として(不景気による広告費そのものの削減以外としての)広告費全体の減少の一つになってしまっている。

今件はあくまでも電通という民間企業の発表データなため、より精密度の高いものについては官公庁の発表を待つしかない。……と思ってよく見直してみたら、すでに先日確定値が出ていた。これについては機会を改めて分析することにしよう。

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