消費者の節約志向は極めて強く売り上げは鈍る…2010年1月度チェーンストア売上高、マイナス4.9%

2010/02/23 05:52

【日本チェーンストア協会】は2010年2月22日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2010年1月度における販売統計速報を発表した。それによると2010年1月は各種セールスの強化に伴う需要の先取りがあだとなった他、雇用情勢の悪化や不景気感などの強まりもあり、消費者の節約志向は極めて強く、総販売額は前年同月比で14か月連続して下回る-4.9%という結果となった。食料品も4.3%と大きな下げ方を見せたが、衣料品はそれをはるかに上回る8.7%の下げを記録しており、本当の寒さでは無く売上の上での「冬将軍」の到来を迎えた形となっている(【発表リリース】)。

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今調査結果は協会加入の68社・8208店舗に対して行われている。店舗数は先月比で8店舗増、前年同月比で570店舗減。売り場面積は前年同月比101.5%と1.5%ほど増えている。今月は、店舗数が先月比・前年同月比共にマイナスという結果となっており、企業数は変わらない。再び業界レベルで大規模なリストラクチャリングが動き出した感はある。また前年同月比で店舗数が減少しているにも関わらず、売り場面積がわずかではあるが増加している状況から、規模の拡大統合化(あるいは小規模店舗の閉鎖)を昨今の難局解決打開策と見ているようだ。いわゆる「スケールメリットによる事態打開」を模索しているもよう。あるいは単に、中小の店舗が状況的に耐えきれなくなっただけなのかもしれない。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……1兆1022億5332万円
・食料品部門……構成比:61.7%(前年同月比95.7%、▲4.3%)
・衣料品部門……構成比:11.8%(前年同月比91.3%、▲8.7%)
・住関品部門……構成比:20.1%(前年同月比94.9%、▲5.1%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比98.1%、▲1.9%)
・その他…………構成比:6.1%(前年同月比97.4%、▲2.6%)

庶民のお財布事情も
消費感覚も冬将軍到来。
衣料品の下げは再び
10%超えに迫る勢いへ。
1月は冒頭でも一部触れたように、先月行われた各種販売促進策の反動や、消費者サイドの消費性向の減退(景気動向の不安定化加速などさまざまな理由はある)、さらにはチェーンストアそのものの構造が受け入れられなくなった昨今の状況が色濃く出る形となり、売上高は前年同月比でマイナスを見せることとなった。

具体的品目としては食料品は豊作などで商品単価が落ちているにんじん、白菜、キャベツ、トマトなどが不調。「不景気の救世主」ともいえるもやしは好調。畜産品でも「鍋物需要が盛り上がらず」とリリースでは言及されており、「比較的安価でお腹がふくれる」はずの鍋ものが流行らないという妙な動きを見せている。惣菜系で温野菜、特に焼き物が好調なので、少量で確保できる総菜に移行している可能性は否定できない。

衣料品は価格の高いコートやジャケット、セーターなどが不調。ただ、年度末を迎えることもあり、学生服が動き出しているのが目に留まる。住関品は新型インフルエンザそのものが直近の峠を越したことから、関連商品への言及がなくなった(=目立った動きをしなくなった)。年末商戦も過ぎたこともありゲームは不調。エコポイント関連の薄型テレビをはじめとした各種家電商品も堅調だが、テレビ以外の大型家電品の動きは鈍い。

1月は12月と比べると年明けで気持ちも緩み、小物の消費性向は増加するはずなのだが、食料品や住関品の売上は芳しくない。また、チェーンストアではかつてメインの商品だった(少なくともイメージ的には)衣料品の売り上げ減傾向は他の項目と比べても著しく、そう遠くないうちに全体販売高の1割を切ってしまうのではないかという動きを見せている。

消費者の生活防衛意識は高みに留まったままで、デフレ感に伴う商品価格の値下げ圧力も著しく、「モノは売れず、売れても単価が安くて売り上げがあがらない」という、小売り側としては厳しい時代が続いている。むしろ小売業全体として云々より、「チェーンストア」そのものの構造・販売スタイルが、金属疲労を起こしているものと表現した方がよいのかもしれない。

チェーンストアは各店舗の大きさからもイメージされるように、「大きな姿形をした恐竜」なのだろう。時代の流れを受けて、今まさに絶滅の危機を迎えようとしている。本物の恐竜と違って絶滅そのものは無いだろうが、時代の変化に伴う「進化」が求められていることに変わりは無い。「21世紀のチェーンストアの姿」を見出だし、新しい世紀を生き延びることができるのか否か。その答えは現在の各チェーンストアの経営陣の双肩にかかっているといえる。

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