カードが減り現金増加傾向!? 米クリスマス商戦におけるクレジットカードの使われ度合いをグラフ化してみる

2010/02/15 07:15

クレジットカードイメージ【「借金のワナ」……アメリカ家計の借金の時代推移をかいま見る】【アメリカの家庭内借金事情をグラフ化してみる(改定・増補版)】などで説明しているように、アメリカの消費スタイルはクレジットカードによって支えられている。一方で【日米の家計資産推移をグラフ化してみる(2009年3Q分)】で触れているが、カードローン規制の厳格化や不景気などの影響を受け、アメリカで「カードローンの利用抑制」「現金の利用増加」「貯蓄性向の上昇」という傾向が見受けられる。これについて【今週の指標】で興味深い分析が行われていたので、それを元に資料を探し、「アメリカにおけるクレジットカードの利用性向の変化」を推し量れるグラフ、具体的には「クリスマス商戦で買い物をする時に、どんな支払い手段をもっともよく使うのかに関する推移グラフ」を作成することにした。

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「今週の指標 アメリカ:減少するクレジットカードを利用した消費」によれば、消費者信用残高(個人が借りたお金、分割払いで商品を購入した際の信用額の合計。要は消費者が借り入れたお金の総額)が減少を続けていることや、クリスマス商戦の消費動向を見ても、「失業率の高さ」「先行き懸念」などから、「借り入れを減らして消費を抑制」「債務の削減を優先」していることが見て取れるとのこと。他にも冒頭で触れているように、融資限度額の引き下げなど貸し出し基準の厳格化も一因であるとしている。

そのレポートの解説補助として使われていたグラフの一つが「クリスマス商戦期に最も利用される決済手段」。これが非常に興味深い傾向を示しているので、今回はこれを中心にグラフ化を試みる。

【全米小売業協会(National Retail Federation)】の公式サイトからプレスリリースをたどり、該当すると思われるリリース【Procrastination Abounds as NRF Survey Finds Most Have Completed Less than Half of Shopping】を確認。ここに掲載されている【フルのデータ(PDF)】を取得してデータをチェック……したのだが、肝心のデータが2005年までのものしかない。過去をたどってもリリースそのものがリスト上には存在しない。「今週の指標」では2002年以降の経年データによるグラフが形成されているので、「以前から逐次データを取っていた」か「登録してデータを確保した」ものと思われるが、いずれにしても当方には無理(古いデータは会員登録制で、アメリカの企業関係者でないと登録は出来ないらしい)。

そこで妥協した結果ではあるが、2005年までのもので生成したグラフが次の通り。

↑ 自分がクリスマス商戦時にプレゼントなどを購入する際、どんな手段をもっともよく使うか(択一)(2005-2009年)
↑ 自分がクリスマス商戦時にプレゼントなどを購入する際、どんな手段をもっともよく使うか(択一)(2005-2009年)

2004年以前は「現金……漸減」「小切手……漸減」「デビットカード……漸増」「クレジットカード……横ばい」の傾向を見せていた。これと合わせて考えると、

・現金……2007年以降減少傾向を止めて増加に転じている

・小切手……漸減

・デビットカード……増加

・クレジットカード……横ばい傾向を見せていたが2007年まで増加、以後下落

の動きを示しているのが分かる。特に2007年以降、「現金」と「クレジットカード」との間に相反する流れが出来ているのが興味深い。元資料で指摘しているように「色々な理由でクレジットカードの利用を控え、現金やデビットカード(利用翌日に銀行口座から引き落とされるカード。口座残高以内しか使えないため、ほぼキャッシュカードの使い方に等しい)を使いこなす傾向を強めている」のが分かる。

消費スタイルの健全化という点では極めて好ましい傾向だが、同時に消費、特に高額商品の購入が控えられることも考えられる。大量消費社会の象徴ともいえるアメリカの消費スタイルが変化を見せる可能性もあり、注目したいところだ。

なお、やや余談ではあるが2009年のクリスマス商戦における年齢階層別などの購入手段の違いは次の通りとなる。

↑ 自分がクリスマス商戦時にプレゼントなどを購入する際、どんな手段をもっともよく使うか(択一)(2009年末)(全米小売業協会)
↑ 自分がクリスマス商戦時にプレゼントなどを購入する際、どんな手段をもっともよく使うか(択一)(2009年末)(全米小売業協会)

クレジットカードを取得できるか否か、信用力の違いなどから、若年層は現金やデビットカードの利用が多い。歳を経るに連れてクレジットカード、さらには小切手の利用割合が増加していく。若年層の利用制限の強化、さらにはカード取得そのものが難しくなっているという話は本当のようだ。

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