モバイルインターネットの広がりをかいつまんでみる……インドと中国

2010/02/11 12:05

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インドの携帯電話でのネット接続イメージ先日、当方(不破)の巡回サイトの一つ「Online AD」で、興味をそそられる記事が掲載されていた。【Mobile Web Explosion】というタイトルのもので、今後携帯電話(などモバイル端末)を利用したインターネット利用の普及が爆発的に、特にユーラシア・アジア地域で進んでいくだろうという主旨のものだった。以前【主要国のPC経由のソーシャルメディア利用率と人数(16か国版)】などでも触れているように、インターネットへのアクセスハードルが低い携帯電話や各種モバイル情報端末は、より多くの、より広範囲な階層に対する「ネットアクセスを可能とさせる強力なカンフル剤」としての地位を確かなものとしつつある。それを裏付けるインドと中国についての記事が掲載されていたというのが、該当記事の主旨の一つ。今回はそれらをかいつまんで目を通してみることにしよう。


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まずはインド。こちらはイギリスの高級紙で比較的歴史の浅い(1986年10月創刊)インディペンデント紙が2010年の1月29日に掲載した【India adds record 19 million mobile users in December】という記事。「去年12月の一か月だけでインドのモバイルユーザー数が1900万人(!)も増えたよ」という、少々腰が砕けてしまいそうな内容。ざっと箇条書きに内容を並べると、

・2009年11月は1765万人、12月は1910万人モバイルユーザーが増加。非常に安価な料金体系が手助けしている。
・現在インドのモバイルユーザーは5億2515万人。2009年は1か月あたり1500万人のペースで増加。2008年12月から比べて総数はこの1年で51.4%も増加している。
・12月の増加分も合わせると、インド総人口の45%がモバイルユーザー。固定回線による電話利用者を足すと電話回線普及率は48%。
・インドの携帯電話協会は2013年までに「インドのモバイルユーザーは10億人を超える」と予想している。
・携帯電話会社数が多いので、今後淘汰されるかもしれない。
・固定電話回線の利用者は減少をしている。

という感じだ。これはあくまでも「電話回線利用者」としてのモバイルユーザーの増加を示したもの。別資料(【Cellular news】)によれば、最新データとして「1か月に1度以上モバイル端末でインターネットにアクセスした人は200万人程度しかいなかった」「年に1度で区切ると1200万人の人がインターネットにアクセスしている」とインドのインターネット・モバイル協会(The Internet & Mobile Association of India)が報告しているとのこと。

ただし、(この資料では)インドには4億7100万人の携帯電話ユーザーがおり、そのうち27%・1億2700万人分の端末が「インターネットへのアクセスが可能」な状態にあるという。また、200万人の利用者のうち7割が若年層(18-35歳)で占められているとのこと。

要はインフラをはじめとする各種環境がまだ整っていない、だからアクセスしたくても出来ないということなのだろう。インドで携帯電話のインフラへの注力が進んでいるという話もあるが、このようなバックボーンがあることを考えれば、納得がいくというもの。

続いて中国事情。先の記事にもあるように、中国のインターネットは他国のそれと事情が少々異なるので、一概に同列で比較するのはやや問題があるが、一応参考情報として列挙しておく。こちらはYahoo!News経由AFP伝で2010年1月13日に掲載された【China mobile users risk SMS ban in porn crackdown】という記事。ショートメッセージサービスに関するトラブルを伝えたものだ。

・中国内でポルノ系、または違法なコンテンツを流したと判断された場合、ショートメッセージサービスを停止するよう、当局側が動いている。
・止められた場合、「もうしません」という内容の書面を提出しなければならない。
・2009年11月末時点で中国の最大携帯電話会社China Mobileには5億1810万人のモバイル所有者(加入者)がいる。これは中国国内の携帯電話利用者人口の70%以上に相当するという。
・以下中国内のインターネットの検閲に関する内容がずらりと。「事態に批判的な人は『中国のインターネットに対する過度の規制は、政治的に脅威とみなされる内容が世間に広まることを抑制するためのものだ。党は支配し、異議を唱えるものの口をふさぐ』と主張している」など。

3つめの項目、具体的な人数が出ているあたりが重要。概算で全体では6-7億人くらいのモバイルユーザーがいる計算になるからだ。そのうち何パーセントがインターネットを使えるかの資料は無いが、母数が大きいだけに途方もない数には違いない。



インフラの整備やネット意識への啓蒙などが進めば、元々人口が多いこれらの国々での「モバイル経由のインターネット利用者」は膨大な数に登ることになる。それを容易に可能にしうるのが、冒頭でも触れている通り、インターネットへのアクセスハードルが低い携帯電話や各種モバイル情報端末というわけだ。

なお元記事ではモバイル関係の市場調査を世界規模で行っている【Portio Research】が提供している無料配布レポートに関する言及も行われている。このレポートにも今後の携帯電話市場をかいま見れる貴重なデータが数多く見受けることができる。当方の理解できるもので、重要だと考えられる項目について、機会を改めて言及してみたいと考えている。


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