全体で1割超、雑誌は3割超の下げ、インターネットは上げ幅拡大(経産省広告売上推移:2010年2月発表分)

2010/02/10 06:59

経済産業省は2010年2月9日、特定サービス産業動態統計調査において、2009年12月分の速報データを発表した。それによると、2009年12月の主要メディアにおける広告費売上高は前年同月比でマイナス11.0%と先月から引き続き2ケタ%代の減少を見せていることが明らかになった。主要項目別では先月同様に「雑誌」がマイナス34.3%と、もっとも大きな減少率を見せている(【発表ページ】)。

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今記事のデータ取得や項目選択のあらましは記事一覧【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(経済産業省発表・特定サービス産業動態統計調査から)】で解説しているので、そちらで確認してほしい。今記事はその2009年12月分データの速報値を反映させたもの。なおそれより前のデータについては、確定値で修正済み。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2009年11-12月)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2009年11-12月)

比較しやすいように先月発表データと並列して図にしてみたが、全体的にやや復調していた先月に続き、状況が多少は改善しているようすが見受けられる。ただしその一方で「雑誌」だけは前年同月比でマイナス34.3%。阿鼻叫喚悶絶状態。先月の記事で「かなり危険な状態」とコメントしたが、今月は「相当危険な状態」と表現を改めることにしよう。何しろ今数値は「前年同月比」。つまり2008年12月、リーマンショック直後で広告費が相当量落ち込んだ時期と比べた値なのだから。

「インターネット広告が伸びていたとしても、全体を底上げするだけの規模を持っているのか」という疑問もあるに違いない。そこで今回も、2009年12月における各区分の売上高をグラフ化しておく。電通や博報堂の区分とは違うため、該当同月の両社データ【電通と博報堂の種目別売上高前年同月比をグラフ化してみる(2009年12月分)】とやや違和感を覚えるところもあるだろうが、参考値の一つ程度としてとらえてほしい。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2009年12月、億円)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2009年12月、億円)

実は今回取り上げた項目中では、インターネット広告はすでにラジオ、雑誌を超え、テレビ・新聞に次ぐ第三番目の規模にまで成長している。これなら全体をある程度引っ張ったとしても不思議ではない。ちなみにインターネット広告は2009年の時点ですでに、雑誌広告の規模を上回っていたことが確認されている。

次に、公開されているデータの推移をグラフ化する。インターネット広告のデータが掲載されたのは2007年1月からなので、それ以降の値について生成したのが次の図。

月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2009年12月まで)
↑ 月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2009年12月まで)

ここ数か月の流れとしては「テレビがやや横ばいから復調?」「雑誌やラジオ、新聞はかなり怪しいレベル」「インターネットはプラス圏に復帰、回復基調に」という傾向が確認できる。特に新聞・雑誌の二大紙媒体は、他の媒体から下部にかい離を見せ始め、いよいよもって下落幅に歯止めがかからなくなってきている。とりわけ雑誌はフリーフォール状態に突入した感すらある。

先の総務省統計局のデータを元にした分析記事【新聞や雑誌の買われ方はこの10年でどのように変化したのか……週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(追補編)】で触れているが、雑誌・週刊誌は「購入世帯数の減少」「購入世帯の購入冊子数の減少」というダブルパンチを受けている状態。これと今件の広告売上の減少ぶりを見ると、雑誌業界が尋常でない状況にあることがあらためて理解できるというもの。関連業界は早急な対策が求められよう。

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