売り手市場化加速中…賃貸住宅の敷金・礼金や入居条件の変化をグラフ化してみる

2010/02/07 07:19

賃貸住宅の管理会社による協会「日本賃貸住宅管理協会」などが2010年1月26日に発表した【賃貸住宅景況感調査日管協短観(pdf)】には、賃貸住宅事情を概要的に確認できる貴重なデータが多数掲載されている。今回はこの短観から、賃貸住宅管理会社が管理する物件の入居状況の推移についてグラフ化してみることにする。【二極化は継続、賃貸料減額傾向は顕著に-東京23区内の賃貸住宅家賃事情(2009年12月発表分)】にもあるように、「賃貸住宅の賃料が減少傾向」言い換えれば「売り手市場状態」が把握できるのが、今回発表分データの特徴。

スポンサードリンク


今調査は2009年10月1日から12月31日にかけて、紙面により協会会員に対して行われたもので、有効回答数は305社。回答対象期間は2009年4月1日-2009年9月31日についてのもの。なお項目の目安としては「増えた……+10%以上」「やや増えた……+5%」「変わりなし……プラスマイナスゼロ」「やや減った……-5%」「減った……-10%以上」である。

まずは礼金・敷金の平均について。礼金は言葉通り賃貸契約が新規に結ばれた際に業者に支払われるお礼金のこと。一方で敷金は「賃貸住宅に土台として敷かれた(、そして住宅利用時に少しずつ損耗していく)お金」という概念で考えれば良く、その住宅から引っ越していく際に原状復帰のために使われるお金。ただし自然損耗分については原則的に居住者が負担する必要は無い。「自然損耗か居住者の過失による損耗か」をめぐり、敷金の返却割合について退去者と賃貸住宅管理会社との間で、意見の相違が生じるという話もしばしば耳にする。

ともあれ、その礼金と敷金についてだが、全国平均では礼金が0.85か月分と1か月未満、敷金は1.57か月分と約1か月半分という結果が出ている。当方が住む東京では昨今において「礼金1か月」「敷金1か月半」という物件の案内を良く目にするので、「大体こんなものだろうな」という感はある。

↑ 入居時条件(月分)(2009年4月-2009年9月)
↑ 入居時条件(月分)(2009年4月-2009年9月)

元資料で指摘されているが、関西圏では敷引き(解約引き。入居時の保証金のうち半分程度を退去時の原状復帰費用として固定し、返還しないこと。保証金そのものは半年-8か月分とされ、礼金も含まれる。この制度が導入される物件では更新料も無いのが普通)制度が商習慣として根付いていた関係もあり、礼金の額が他地域の2倍近くに至っている。その分、敷金が低めなのが特徴。

地域による商習慣の違いなどもあるが、この値を元に新居を探すのが無難・妥当かもしれない。

賃料減少物件84.6%
それでは各業者が抱えている物件において、敷金や礼金、そして賃料はどのように推移しているのだろうか。それぞれについてその移り変わりを尋ねたところ、礼金なし物件が増加した業者は6割、敷金や保証金無し物件が増加した業者は5割に達し、借り入れ時に大きな負担となる敷金・礼金のハードルが低下している様相が見受けられる。

↑ 入居条件の変化(2009年4月-2009年9月、前年同期比)
↑ 入居条件の変化(2009年4月-2009年9月、前年同期比)

そして何よりも印象的なのは、「賃料が減少した」と答えた業者が84.6%にも達していたこと。全国より首都圏・関西圏の方が減少数が低めなことから、人口密集地帯では全国と比べて「やや」賃料減少のスピードが遅い傾向はあるものの、それでも圧倒的に「賃料が減りました」という業者が大勢をしめているのが分かる。礼金・敷金なし物件の増加傾向と合わせ、賃貸住宅は全般的に借り手市場であることが改めて確認できよう。

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー