関西圏は賃貸住宅の流れが鈍化中? 賃貸住宅会社の物件の増減をグラフ化してみる(2010年1月発表分)

2010/02/07 07:19

賃貸住宅の管理会社による協会「日本賃貸住宅管理協会」などが2010年1月26日に発表した【賃貸住宅景況感調査日管協短観(pdf)】には、賃貸住宅事情をざっと確認できる貴重なデータが大量に掲載されている。今回はこの短観から、賃貸住宅管理会社が管理する物件が、新築か既存かについてグラフ化してみることにする。前回の【新築か、それとも既存物件か……賃貸住宅会社の物件の増減をグラフ化してみる】と比べると劇的な変化は無いものの、状況の微妙な変化が生じているのが今回発表分データの特徴。

スポンサードリンク


今調査は2009年10月1日から12月31日にかけて、紙面により協会会員に対して行われたもので、有効回答数は305社。回答対象期間は2009年4月1日-2009年9月31日についてのもの。なお項目の目安としては「増えた……+10%以上」「やや増えた……+5%」「変わりなし……プラスマイナスゼロ」「やや減った……-5%」「減った……-10%以上」である。

賃貸住宅の管理会社は、新築の物件、あるいは既存の物件について管理を受託し、その業務をとり行うことになる。賃貸住宅全体の需要が増えれば、新築物件を建造して管理数全体を増やし需要に応えねばならないため、一般的に「新規物件増」イコール「賃貸住宅の需要拡大」となる(老朽化などで建て替えしなければならない既存物件が急激に増える場合もあるが、一般的ではない)。

直近データにおける新築物件と既存物件の仕入れ状況の変化については次のような結果になった。全般的には「新築が減少傾向」「既存が増加傾向」ということになる。この傾向は前回と大きくは変わりない。

↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(2009年4月-2009年9月、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(2009年4月-2009年9月、前年同期比)

前回(半年前)は「首都圏は新築も既存も、管理受託数は増加」と見ることができた。しかし今回は両圏とも「新築は管理受託数減少」「既存物件は増加」ということになる。ただし「減少分」はほぼ変わらないのに「増加分」は新設・既存共に首都圏の方が多いことから、首都圏の方が増加傾向が強いことが確認できる。

この違いは「増えた派」から「減った派」を引いたDI値を算出すると良く分かる。

↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(2009年4月-2009年9月における、前年同期比で、増えた派-減った派)
↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(2009年4月-2009年9月における、前年同期比で、増えた派-減った派)

首都圏・関西圏共に「新築物件」の値はマイナス、つまり減少傾向にある。一方で「既存物件」はプラスを示しており、元資料でコメントされているように「住宅数が世帯数を上回る現状をかんがみ、新設の賃貸住宅の建築をひかえていることが推察される」。ただその勢いを見ると、新設物件の減少分は関西圏が大きく、既存物件の増加分は首都圏の方が大きい。関西圏では新既問わず賃貸住宅の需要そのもの、あるいは流動性・新陳代謝が減少している可能性を示唆している。

前回のレポートでも「新設住宅戸数(のうち貸家)は首都圏よりも中部・近畿圏の方が下げ幅が大きい。この値と合わせて考えると、だぶつきか否かは別として、関西方面では賃貸住宅の新築ニーズは首都圏ほど高くなく」と言及した。それが今回においては、既存物件にまで波及しているようだ。もちろんプラスの値なので増加傾向にあることに違いは無いが、首都圏、そして全国の値と比較した上で考えれば他の諸地域と比べても、関西圏は賃貸住宅の流れそのものが鈍化しているのかもしれない。

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー