選挙運動のネット利用解禁、賛成32.5%・反対14.3%・過半数は判断保留

2010/02/05 06:54

選挙イメージライフネット生命は2010年2月4日、オバマ大統領やネット選挙運動に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、日本国内における選挙運動のインターネット利用解禁に賛成する人は32.5%に留まっていることが分かった。一方で反対する人は半分以下の14.3%でしかなく、過半数の人が意見保留状態であることが確認できる。日本国内解禁されたとしても、現時点では具体的な仕組みの提示がほとんどなされていないこともあり、イメージがしにくく、そのため是非の判断が難しいようだ(【発表リリース】)。

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今調査は2010年1月12日から15日にかけて、アメリカのオバマ現大統領を知っている人に対して携帯電話経由のインターネットで行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層比は10代-50代の10歳区切りで均等割り当て。調査自身はネットエイジアが担当した。

インターネット上での選挙運動(選挙投票では無い事に注意)については、以前【ネット選挙運動、賛成4割・「判断できない」も4割強】などでも触れているように、反対派は少ないものの意見保留・賛成派がほぼ同数で、態度を決めかねている人が非常に多い事が確認されている。

↑ もしネット選挙が解禁されたら、あなたはどう思いますか?
↑ もしネット選挙が解禁されたら、あなたはどう思いますか?(【ネット選挙運動、賛成4割・「判断できない」も4割強】から、再録)

今調査でもほぼ同様の結果が出ており、「インターネットをはじめとするデジタルメディアをごく普通に使う層においても」判断が付きかねる人が多い事が分かる。

↑ 選挙運動におけるインターネット利用解禁について
↑ 選挙運動におけるインターネット利用解禁について

女性の方が「判断保留派」が多いことも、別調査の結果と同じ傾向を見せている。やはり具体的に「選挙運動がインターネット上で解禁されると、どのようなメリットがあり、どんな問題点が想定され、差し引きでどれだけの恩恵を選挙民全体が受けられるのか」ということに対する明示が必要だと思われる。

それでは投票する側が頭に思い浮かべている、選挙運動におけるインターネット利用解禁のメリットとは何だろうか。複数回答で3つまで、という条件で答えてもらったところ、最多回答数を得たのは「ブログやメールマガジンで候補者の活動内容が分かる」というものだった。

↑ 選挙運動におけるインターネット利用解禁がもたらす効用(複数回答・3つまで)
↑ 選挙運動におけるインターネット利用解禁がもたらす効用(複数回答・3つまで)

選挙期間中の路上演説と同様、ブログやメルマガでも「演説」をしてもらい、それをネット経由で知ることができる。生でしか得られない迫力や意気込みは伝えられるべくもないが、ブログ・メルマガでも候補者の「想い」を知ることができる。しかも路上演説と違い、ブログやメルマガは何度でも読み返し、確認が可能な点も強み。

さらに「動画」となれば、テキスト以上の「意気込み」を感じとることができる。こちらも何度でも再生できるため、反復活用はもちろんのこと、各種比較や検証のような、生演説では不可能なことまで「個人ベースで」行えてしまう。一昔前だと動画配信の仕組みを創るのも一苦労だったが、今では動画共有サービスがあるため、動画そのものを録画出来れば誰もが気軽に「インターネット上に演説の動画を提供できる」。

インターネット上での情報展開のメリットである、「比較」「検索」「蓄積」「検証」を活かせる項目、例えば「候補者や政党が政策の比較情報を積極的に開示するようになる」なども高い値を示している。どこぞの国の政党では無いが、情報を隠ぺいしたり選挙前に約束したことを「極めて短期間で」「まるで元から約束を果たす意思などさらさらなかったかのように」ことごとく覆すような詐欺的暴挙を行えば、データとして残り、多くの人に(集合知によって)検証され、今後の様々な判断材料として多くの人が使えるようになる(今でも半ば可能だが)。

気になるのは「政治を志す人の数が増える」への賛同率が2.6%しかいないこと。情報をもっと知りたいという人は多くとも、システムを活用し政治への場に足を踏み入れる気概を持つ人が現れることにはあまり期待をかけていないようだ。



先の記事でも触れているが、若年層の選挙投票率が低いのは、情報取得元として多用している新メディアで選挙に対する規制が厳しいという現状が一因としてある。

↑ 第45回衆議院総選挙・年齢階層別投票率(再録)
↑ 第45回衆議院総選挙・年齢階層別投票率(再録)

選挙運動のネット解禁のメリット・デメリットについては、すでに先行している欧米、特にアメリカのオバマ現大統領が活用した多数の事例などにもあるように、アメリカでの事例が何かと参考になるはず。長所・短所も「先人」のものを紹介した上で参考にすれば良いはずなのだが、それを果たすべきテレビや新聞など大手メディアのほとんどは、積極的に行う気配を見せていない。いわゆる「職務怠慢」と評するしかないといえよう。

あるいはその方が”都合”が良いのだろうか。確かに選挙番組は高視聴率を狙える数少ない「お宝素材」ではあるのだが。

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