「ここまで薄く切れます! 」がひと目で分かる包丁の広告

2010/02/07 07:21

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「ここまで薄く切れます! 」がひと目で分かる包丁の広告イメージ先に【「切れすぎちゃって困るの♪」な包丁の広告】で、ドイツの台所関連の金属製品会社【WMF社】の包丁に関する広告を紹介した。これらは主に「食べ物を切っていたら下の台座までまとめて切れちゃうくらいに切れ味が良い」というアピールを、本当に台座を切ったシーンで演出したもの。今回は同じWMF社の包丁が対象だが、それとは少々発想を異にした、しかしながらやはり「ああ、そこまでスッパリと切れるほどに切れ味が良いのか」とひと目で分からせてくれる素晴らしい広告を紹介しよう(Coloribus.com)。


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↑ ハチいわく「私でも持ち運びできるくらいに薄く切れちゃってますよ」
↑ ハチいわく「私でも持ち運びできるくらいに薄く切れちゃってますよ」

うす-く切れたリンゴイメージ繰り返しになるが、WMF社とは「Wurttembergische Metallwaren Fabrik」のことで、高級・高品質な金属・刃物製品を1世紀半以上に渡って提供しているドイツの会社。1845年に開業し、ヨーロッパの食文化に貢献している。ヨーロッパを中心に展開しているが、例えば『アマゾンで「WMF」「キッチン」』で検索すれば、日本でも数多くの同社商品を確認することが可能だ。

右側に肝心の部分を拡大したので分かると思うが、この広告では薄く切られたリンゴをハチが抱えて運んでいる。しかし常識的に考えれば、一介のハチがリンゴを抱えて運べるほど力を持っているはずもない。そのリンゴが軽ければ話は別だが。

そう、この広告では「WMFの包丁ならハチが持ち運びできるほど、薄くリンゴを切ることができますよ」ということをアピールしている。通常ならありえないシーンを目に留まらせ、「ではどうすればこんなことが可能なのか」「軽ければ、つまり薄ければ……あ。なるほど、そこまで薄く切れるのか」と連想させ、包丁の高性能さを頭に刻み込む。下のキャッチコピー「(シリコン)ウェアのごとく薄く切れますよ(Cuts wafer-thin)」をビジュアルでも体現しているわけだ。

もろちん実際のWMF社の包丁で、ここまで薄く切れるはずもない(機械に固定して自動で動かせばあるいは……?)。しかし広告の手法として「現実よりオーバーに描写することで、表現したい、アピールしたいことを印象深くさせる」のは良くある話。この写真を見た人は「そんなことあるわけないじゃん」としながらも、「そこまでの切れ味なのか……」と関心を寄せるはずだ。

Coloribus.comには他にもWMF社の同様なコンセプトの広告がいくつか紹介されている。どれもみな、小さなアリやクモたちが、普段ならあり得ない「大きさ」のものを運ぶシーンが描写されている。まるでアニメに登場する怪力の虫たちのように見えるが、(バランスなどはともかく)重さ的にはシリコンウェアレベルまで薄く切られていれば、あるいは持ち運びが可能かもしれないな、と思わせてくれる。

↑ クモの糸でパンの切れ端を吊り上げている様子
↑ クモの糸でパンの切れ端を吊り上げている様子

↑ トーストを丸々一枚持ち運ぶアリさん
↑ トーストを丸々一枚持ち運ぶアリさん

↑ トーストの部分を拡大。パンの向こうのタイルの溝が見えることから「どれだけ薄いか」が分かる
↑ トーストの部分を拡大。パンの向こうのタイルの溝が見えることから「どれだけ薄いか」が分かる

中途半端な誇張はその商品の性能を誤解させる恐れがあるため、広告としては相応しくない。例えば今回の事例なら厚さを1ミリくらいにしてカブトムシあたりに運ばせたら、単に「オーバーな表現だな」で終わってしまうか、「そこまで薄く切れるはずがない」と逆”切れ”されるかもしれない。

しかし今回のMMFのようなものなら、現実にはそのようなことはあり得ないという認識をした上で、楽しく眺め、頭の中でツッコミを入れることができる。さらに先の「まな板まで切っちゃった」シリーズと比べ、ワンクッション置いた表現(まな板シリーズは切った直後、今回のは切った後の食品を第三者(虫)に運ばせている)のため、広告が意図するところが分かった時の「なるほど感」は一層大きなものがある。

この類の広告はうまくマッチする素材が中々見つからないので見かけるチャンスも少ない。先の「まな板編」同様、もし遭遇できたらその機会を感謝しながら、やはりニヤニヤしつつ見て楽しむのが良いだろう。


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