高齢者の来客数は増加中…賃貸住宅会社への来客層の変化をグラフ化してみる(2010年1月発表分)

2010/01/30 08:59

賃貸住宅の管理会社による協会「日本賃貸住宅管理協会」などが2010年1月26日に発表した【賃貸住宅景況感調査日管協短観(pdf)】には、賃貸住宅事情を垣間見れる貴重なデータが大量に掲載されている。今回はこの短観から、賃貸住宅管理会社にやってくるお客様の数の変化について、グラフ化してみることにする。前回の【賃貸住宅会社への来客層の変化をグラフ化してみる】と比べると劇的な変化は無いものの、傾向がより鮮烈化しているようにも見えるのが今回発表分データの特徴。

スポンサードリンク


今調査は2009年10月1日から12月31日にかけて、紙面により協会会員に対して行われたもので、有効回答数は305社。回答対象期間は2009年4月1日-2009年9月31日についてのもの。なお項目の目安としては「増えた……+10%以上」「やや増えた……+5%」「変わりなし……プラスマイナスゼロ」「やや減った……-5%」「減った……-10%以上」である。

来客層を「学生」「一般単身者」「一般ファミリー」「法人」「高齢者(65歳以上)」「外国人」に大別した上で、それぞれの来客数の変化について尋ねたところ、全体的には「高齢層」以外の層すべてで減少傾向がみられることが判明している。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2009年4月-2009年9月における、前年同期比で)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化(2009年4月-2009年9月における、前年同期比で)

前回同様、中でも「学生」と「法人」の減り方が著しい。「法人」減少の理由は不景気による社宅需要の低下(経費削減による社宅制度取りやめや、社員の減少などによる社宅新設ニーズの低下)が要因だろう。一方「学生」の減少だが、少子化の影響が1年で急に現れるとは考えにくいので、一人暮らしをあきらめ、出費が少なくて済む「実家からの通学」を選ぶ学生が増えたことによるものと思われる。

一方、「高齢者」「外国人」の2項目が他の項目と雰囲気がまったく異なるのは、それぞれの特殊事情、というよりはむしろ、これらの層が昨今の不動産不況下でも、影響を受けないことを示している。とりわけ「高齢者」は緑の部分が広く、赤の部分が狭いことから、「他の項目とは全然違うな」という雰囲気が分かるはず。

傾向がより分かりやすいように、DI値(増えた派-減った派)でグラフを作ると、各項目の状況が一層理解しやすくなる。

↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2009年4月-2009年9月における、前年同期比で、増えた派-減った派)
↑ 賃貸住宅管理会社に対する来客数の変化・DI値(2009年4月-2009年9月における、前年同期比で、増えた派-減った派)

前回(半年前の計測データ)ではプラス項目がゼロだったのに、今回は「高齢者」が大きくプラスに振れている。高齢者の来客数が増えたということは、「高齢者のニーズが増えた」ことに加え、「インターネットを使う割合が若年層よりも低い高齢者だから、ニーズがそのまま来客数に反映される」ことをも示している。若年層のニーズが増えても検索や調査の大部分はネット経由で行われるので(【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2010年1月発表分)】を参考のこと)、そのままお店への来客数増加にはつながりにくいからだ。

不景気や関連法令、高齢化など、賃貸住宅市場を取り巻く状況に、すぐさま大きな変化が見られる様子は無い。今後もこのような状況はしばらく続くだろう。特に高齢者の賃貸住宅へのニーズ増加は、ますます顕著なものとなるに違いない。


■関連記事:
【賃貸住宅会社への来客層の変化をグラフ化してみる(2009年7月発表分)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー