「第二の人生」でリスクを取る? 60.6%は元本保証が原則

2010/02/01 06:48

天秤イメージ野村アセットマネジメントは2010年1月14日、投資信託(投信)に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体のうち「退職金を受け取った・予定のある50-60代」において、セカンドライフ(第二の人生)における資産運用の方針は、60.6%の人がリスクを回避する・元本保証を原則とする傾向があることが分かった。投信保有者・非保有者間では、保有者の方がリスクを取る傾向が強い。一方、投信非保有者の方が「今後の生活に対する不安感」も強い結果が出ている(【発表リリース】)。

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今調査は2009年10月5日から8日にかけて事前調査(4万人対象)・同年10月8日から14日にかけて本調査(2069人)をインターネット経由で行った結果。本調査における男女比はほぼ1対1、年齢階層比も30代・40代・50代・60代でほぼ均等割り当て。投資信託の保有・非保有率は約2対1でほぼ均等に各年齢層・性別で割り当てられている。調査そのものはマクロミルが実施した。

まず、調査母体で50・60代に年齢層を限定し、その上で退職金を受け取った・受け取る予定のある人に対し、セカンドライフ(退職後の「第二の人生」)における資産運用の方針を尋ねたところ、「元本保証の預貯金のみ」と回答した人は21.2%を数えていた。

↑ セカンドライフにおける資産運用の方針(退職金受給者及び予定者限定・50-60代限定)
↑ セカンドライフにおける資産運用の方針(退職金受給者及び予定者限定・50-60代限定)

全体では6割が「リスクはできれば避けたい」・4割が「リスクは許容できる」という結果。しかし投信の保有、非保有別に見ると、投信保有者はリスクに対する考え方が柔軟で、非保有者と比較して「リスク容認派」では18.3ポイントもの差が出ている。投信保有そのものが「元本割れの可能性がある」リスクを抱えているわけだから、すでに腹を据えているわけだ。

一方、いわゆるサブプライムローンショックやリーマンショックに代表される、ここ数年の金融市場の動き(具体的にいえば株価など金融商品の下落)による影響について、全体・投信保有者・非保有者ごとに聞いた結果が次の図。

↑ 2008年来の金融市場の動きによる影響(50・60代のみ回答)
↑ 2008年来の金融市場の動きによる影響(50・60代のみ回答)

元々投信非保有者は投信保有者と比べて、少ない資産しか持っていない可能性が高い(資産が少ないから投信に回す分が無い)。それを考えれば吹き出し部分の「投信非保有者の方が強い生活不安感を持っている」は単に「お金に余裕が無いから、生活への不安も大きいのでは」と考えることもできる。「生活費切り詰め・生活厳しい」の項目で、非保有者の方が10ポイント以上高いことから、その推定が的外れでないことが分かる。

しかし同時に「もっと早くから投資の経験を積んでおけば」「預金金利が低いので投資をしたい」の項目は投信非保有者の方が高く、「投資はリスキー。貯金をしたい」は低いことを考えると、「お金に余裕が無い」人がいる一方、単純に投信を買っていなかっただけ、投資を敬遠していただけの人もそれなりにいることが分かる。

また投信保有者の方が、市場への冷静・楽観的な考え方「そのうち市場も回復する・しばらく我慢」の人が多いことも注目に値する。投信保有者の方が金融市場での経験・知識を持っているだけに、慌てることなく判断が出来る、ということなのだろう。



【日米の家計資産推移をグラフ化してみる(2009年3Q分)】にもあるが、日本は金融資産の構成比において、現金・預貯金への傾注度が極めて高い。その結果が今回の一枚目のグラフにも如実に表れているといえる。資産に対する考え方は人それぞれだから、このような傾向が全体として正解・間違いとは誰にも判断することはできない。タンス預金ですら、最良の資産維持方法という場合もありうる。

しかしその一方、「ローリスクあるいはノーリスク・ハイリターン」なものは存在しないことも頭に入れておくべき。リターンを求めるのなら、それ相応のリスクを背負わねばならない。逆にいえば、正当な手法を用いたのなら「ハイリターンはハイリスクの正当な報酬」であることを認識する必要がある。成功した事例、リスクを乗り越えた場合のみを見て飛び乗ったり、リターン部分のみを見て揶揄したり「荒稼ぎ」と非難するのは、まさにお門違いな話。

今件の調査結果にしても「リスクを極力回避して元本保証の預貯金のみ」の選択肢が悪い、という意味では無い。ただしその場合得られるのはリスクに合ったリターンのみであることを十分承知しなければならない。リターンの代わりに「安心」を選んだのだから。

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