賃貸住宅の更新時における賃料の変化などをグラフ化してみる

2010/01/27 07:04

賃貸住宅の管理会社による協会「日本賃貸住宅管理協会」などが2010年1月26日に発表した、【賃貸住宅景況感調査日管協短観(pdf)】には、賃貸住宅事情を垣間見れる貴重なデータが大量に掲載されている。この短観を元に色々なグラフを再構築し、今回も前回資料同様に賃貸住宅事情を見ることにする。まず最初にテーマとして取り上げるのは、更新時における賃料変化などについて。そろそろ年度替わりの季節となり、気になる人も多いのではないだろうか。

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今調査は2009年10月1日から12月31日にかけて、紙面により協会会員に対して行われたもので、有効回答数は305社。回答対象期間は2009年4月1日-2009年9月31日についてのもの。なお項目の目安としては「増えた……+10%以上」「やや増えた……+5%」「変わりなし……プラスマイナスゼロ」「やや減った……-5%」「減った……-10%以上」である。

賃貸住宅における「更新」とは賃貸契約の更新であり、貸し手も借り手も契約内容の条件について交渉する良い機会でもある。自分の置かれた状況や市場環境を鑑み、交渉する人も多いはず。

更新時の条件交渉(2009年4月-2009年9月における、前年同期比)
↑ 更新時の条件交渉(2009年4月-2009年9月における、前年同期比)

地域による差はほとんどなく、「増えた」が「減った」の2倍以上ものポイントを見せている。周囲の賃貸料金の相場の下落、経済状態を見た上で、借り手が条件の改善(賃料の値引きなど)を求めるケースが増加しているものと思われる。また、前回の調査同様、関西圏では「増えた」派が首都圏より多い一方、「減った」派も増加している。同じ関西圏でも管理会社の保有物件・地域特性によって、増減傾向が異なるのだろう。

続いては、もっとも気になるであろう「更新時の賃料増減」。【二極化は継続、賃貸料減額傾向は顕著に-東京23区内の賃貸住宅家賃事情(2009年12月発表分)】でも言及しているが、賃貸住宅においても、家賃の減額傾向は顕著なものとなっている。管理会社から見ても、「変化無し」-「減った」の場合が多く、「増えた」は誤差の範囲でしかないことが分かる。

賃料の変化(2009年4月-2009年9月における、前年同期比)
↑ 賃料の変化(2009年4月-2009年9月における、前年同期比)

首都圏では3割ほどが「賃料減退」だが、関西圏では1割足らず。関西圏が安定しているのか、あるいは下げ止まっているのかもしれない。資料内別データや「賃料の下落が目立つ関西圏」などの言及を見ると、恐らくは後者(つまり下落の最終局面か、踊り場)なのだろう。

最後は「更新時の退去」。更新料などの問題もあり、「契約更新のタイミングで引っ越して、持家や他の賃貸住宅に移ろう」と考える人も少なくない。こちらも「増えた」派が「減った」派を上回っており、理由はともあれ引っ越しを行う人が増えていることが分かる。

更新時退去(2009年4月-2009年9月における、前年同期比)
↑ 更新時退去(2009年4月-2009年9月における、前年同期比)

これらのデータを見る限りでは、地域による違いはあるものの、全般的に「更新時に賃料を下げる傾向は増加している」「借り手側が強気に出ている(借り手市場)」であることが理解できる。景気動向を見る限りでは、このような状況は今しばらく続くだろう。

なお、やや余談になるが関連事項として、同資料同一項目に掲載されていた「更新料月数」の平均値もグラフ化しておく。2年契約の首都圏・関西圏では1か月を超えているが、それ以外は押し並べて1か月を切る値が出ている。

更新料月数
↑ 更新料月数

意外なのは3年以上の方が更新料が安い事。長期間借主を引きとめておくための苦肉の策なのかもしれない。


■関連記事:
【賃貸住宅の更新料や賃料の変化をグラフ化してみる(2009年10月7日)】

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