機械・鉄鋼系での回復継続中・前年同月比でプラス1.8%(2009年12月分大口電力動向)

2010/01/23 07:48

電気事業連合会は2010年1月22日、2009年12月分の電力需要実績の速報を発表した。それによると同年12月の電力需要(使用量)は10社販売電力量合計で705億kWhとなり、前年同月比でマイナス0.4%を記録した。産業用の大口電力需要量は前年同月比でプラス1.8%を記録し、15か月ぶりに前年同月の実績を上回ることになった(【発表リリース、PDF】)。

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今調査の概要および用語解説は過去の記事まとめ【大口電力使用量推移(電気事業連合会発表)】上で説明がなされている。そちらでチェックをしてほしい。

2009年12月においては大口全体で前年同月比プラス1.8%。「前年同月」というしばりがあるが、それだけ工場の施設の稼働率が増えたことになる(機器の技術進歩などによる節電効果もいくぶん数字には反映されているが、一年で加速度的な進歩がない限り、誤差の範囲でしかない)。

大口電力使用量産業別前年同月比(2009年11-12月)
大口電力使用量産業別前年同月比(2009年11-12月)

今月は前月と比べればさらに数字は持ち直している。リリースでも言及されているが、先月から続き機械・鉄鋼系での回復ぶりが確認できる。これらの項目がプラスとなったことで、全体でもわずかにプラスを見せる結果になった。数字のプラス値そのものは非常に頼もしい話ではあるが、昨年のこの時期は「リーマン(ズ)・ショック」で急激な下げを見せはじめていただけに、安心はできない(つまりコンビニの「タスポ効果」の反動と真逆で、リーマンショックの反動を超えたものではないという考え方)。

先月比のグラフでは中長期の流れをつかむことは難しい。そこで記録保全の意味も含め、2007年1月以降の全産業別の前年同月比推移グラフを掲載しておく。

大口電力使用量産業別前年同月比推移
大口電力使用量産業別前年同月比推移(2007年1月以降)

2009年12月の時点では、大口電力使用量の観点においては、少しずつではあるが状況の回復(というよりは底打ちの兆し)が見えているのが改めて分かる。いわゆる「リーマン(ズ)ショック」以前までの水準には一部セクターが戻っているところを見るにつけても、先行きは決して暗くないような感もある。

しかしこれからしばらくは「前年同月比」において、昨年の「マイナス20%、30%は当たり前」と比較した形での値が出るため、見た目は急速に回復しているように見えても、実はたいしたことが無い、繰り返しになるが「コンビニの売り上げ」や「住宅の新築着工」でも見受けられた「前年同月比のトリック」が発生する(去年の下げ方が異常な大きさなら、今年は下げていても「それよりマシ」に見えてしまうというもの)。さらに日本国内の政策大転換と混乱(改善か改悪かは各自判断してほしい)が起きていることで、国内需要に見切りをつけた企業の動きが確認でき、このグラフの先行きが大きなぶれを見せることは容易に想定される。国内景気(内需)を推し量る物差しとして注目すべき指標なだけに、大口電力使用量は今後も注意深く見守り続ける必要があるだろう。

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