将来の貯蓄や資産、心配な人は79.0%

2010/01/22 07:10

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不安イメージ楽天リサーチは2010年1月21日、老後の生活資金に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、老後の貯蓄・資産について不安を抱いている人は79.0%に達していることが分かった。特に派遣・契約社員、自営業、アルバイトにその懸念は強く、一方で公務員や専門職などは低めの傾向にある(『発表リリース』)。


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今調査は2009年12月9日から10日にかけて行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1で年齢階層比は20代から60代まで10歳区切りで均等割り当て。

老後の貯蓄や資産について、その不安度を尋ねたところ、全体では41.6%が「かなり不安」・37.4%が「多少不安」と回答し、合わせて79.0%が不安を抱いていることが分かった。不安がない人は9.5%と1割にも満たない。

↑ 老後の貯蓄・資産について
↑ 老後の貯蓄・資産について

いかに多くの人が老後に経済的な不安を感じているかが分かる。これがよりはっきりと分かるのは、職種別の不安度。公務員、(資格を持ち)手に職があり、言葉通り「自分の手を使って稼いで行ける、稼いでいる」人たちは不安度が低く、逆に元々不安定度が高い職種の人は経済面での老後に強い不安を抱いている。

↑ 老後の貯蓄・資産について(職業別)
↑ 老後の貯蓄・資産について(職業別)

「かなり不安を抱いている」項目の右端にいくつか矢印を配した。赤い矢印は他と比べて多い、青は少ないことを意味する。日々の糧を得る職業につき、その安定度がそのまま将来の貯蓄や資産への不安につながっていることが理解できよう。

また、すでに年金生活に入っている「年金生活者」は別にして、「医師・弁護士などの専門家」は「かなり不安」「多少不安」を合わせた「不安派」の人も他の職種と比べて低めの値であることが見て取れる。いわゆる「サムライ業」は一生その職を続けるのも不可能でないことから、色々な面(金銭的だけでなく精神面でも)で安心感を実感しているに違いない。

ただ、全体的に見直してやはり気になるのは、どのような職種でも2/3以上は不安を持っていること。このような状況では蓄財傾向が強まるだけでなく、消費も消極的になるのは致し方ない話といえる。これでは内需中心の景気回復も足取りが重たくなっても仕方がない。【世界の消費者マインドは上昇を続ける、が……景況感指数、日本は主要国中最低を維持】でも触れているが、半ば意図的にまん延するネガティブな情報がマインドを低下させ、それがめぐりめぐってさらに景気を悪化させていることを考えれば、「正しい情報」を「コンスタントに」提供していくことこそが、景気の回復、さらには老後の貯蓄・資産に対する不安を払しょくさせる処方せんの一つ(もちろんそれだけで済む、というわけではない)になるのではないかと思われる。


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