世界の消費者マインドは上昇を続ける、が……景況感指数、日本は主要国中最低を維持

2010/01/17 08:26

景気グラフイメージ調査会社のニールセン・カンパニーは2010年1月15日、ニールセン世界消費者景況感調査の結果を発表した。それによると、2009年第4四半期における世界平均の景況感指数は87となり、2009年は一貫して上昇傾向を見せていることが分かった。直近の第3四半期からは1ポイントの上昇となる。消費者の景況感(景気に対する心境)も改善の兆しを見せつつあるようだ。しかしながら日本においては低迷を続けており、今回調査対象となった29か国の中では最低の値を示している(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2009年12月4日から18日にかけて29か国を対象にインターネット経由で行われたもので、調査対象となった消費者は1万7500人以上。消費者動向、主要な懸念事項、雇用情勢などの項目について調査を実施している。年齢階層や性別区分は非公開だが、各国・地域のインターネット利用者の割合に沿うよう割り当てられているとのこと。

それによると調査該当期においては、前回調査(【世界の消費者マインドは徐々に回復へ・景況感指数、日本は主要国中最低のまま】)同様、インドやインドネシア、ブラジルなどは景気に対し極端なまでの楽観的傾向を見せる一方、日本は悲観的なものの見方がもっとも強い国(民)という印象を、前回同様に裏付ける結果となった。

ニールセン世界消費者景況感指数(2009年第4四半期)
↑ ニールセン世界消費者景況感指数(2009年第4四半期)

世界平均の87を境に上下を見ると、上位には言葉通り「景気がよさげな」国や、ラテン系の国が、下位には景気があまり芳しくない国が収まっているように見える。そして日本は一番下、47という値を示している。直近前期の第3四半期からさらに2ポイントの下落。経済の実態のみを数字化したものではなく、それぞれの消費者のマインドを示したものであることを考えると、日本人がいかに悲観的なものの見方をしているかが分かる。

それをさらに裏付けるのが、同じくリリースに掲載されていた直近数年における、主要国の消費者景況感指数の動き。

ニールセン世界消費者景況感指数の主要国推移
↑ ニールセン世界消費者景況感指数の主要国推移

このグラフの動きからは、例えば「資源高で潤っているブラジルは、いわゆる金融(工学)危機の影響が出始めた2007年下記においてもマインドは減少せず、むしろ資源高を追い風にして上昇、しかしリーマンショックの影響は避けられず2009年1Qには大きく減少。それでもその後は堅調に回復中」「アメリカは金融危機の影響を大きく受け、なかなか立ち直りを見せていない」「ロシアはブラジルと似た傾向を見せているが、景気後退の影響はブラジル以上で復調ものんびりしたもの」など、各国の特徴を示す消費者の心境の動きが見えてくる。

そして何より注目すべきなのは日本の動向。2007年下記からの金融危機における減少傾向は他国(資源が無い国)と似たようなものだが、ベースとなる値から小さいがため、同様の傾向で減少すると絶対値において他国よりも低くなる結果が出てしまう。少なくとも不景気感は無かったはずの2006年下期においてですら、他国が100前後で推移しているのに、日本では71しかないのが分かる。いかに日本が悲観的、あるいは悲観的にさせられているかが見て取れる。

日本は元々景況感指数が低い

景気後退期においては
さらに低いものとなってしまう
これは日本が元々他国と比べて景気があまり良くなかった……というより、繰り返しになるが「日本人が(景気に対して)悲観的なモノの見方をする傾向が強い」、そして景気後退期において顕著になった事象ではあるが(参照:【マスコミ自らがあおる「風評」の被害を景気ウォッチャー調査から調べてみる】【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】)、テレビや新聞、雑誌などのマスコミによる景気への不安感をあおり立てる報道が、消費者のマインドを日常的に低下させているものと推測される。さらに該当四半期においては現政府が率先して「デフレ宣言」で消費者の消費心理をたたき落とした(、かつその対策を事実上何も打たなかった)のも2ポイント下落の大きな要因といえよう。

消費者の景況感は経済の具体的な各種指標そのもの(例えばGDPや消費者物価指数)を表しているわけではない。あくまでも消費者一人ひとりの気持ちの集大成。しかし、消費者の消費性向にも連動しうるため(「不景気だなぁ」と強く思っている人が、積極的な消費をするはずもあるまい)、間接的には現在、そして近未来における景気動向に少なからぬ連動性を持ちうる。その意味では、ポジティブに考えれば日本は保守的、ネガティブに考えれば過度に悲観的と見ることができよう。そしてその原因についても、元々の民族性もさることながら、それ以上に「周囲環境によるもの」と見た方が適切ではないだろうか。

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