雑誌の下げ幅再び3割を超える、インターネットはプラスを維持(経産省広告売上推移:2010年1月発表分)

2010/01/16 08:09

経済産業省は2010年1月15日、特定サービス産業動態統計調査において、11月分の速報データを発表した。それによると、2009年11月の主要メディアにおける広告費売上高は前年同月比でマイナス12.4%と先月から引き続き2ケタ%代の減少を見せていることが明らかになった。主要項目別では先月同様に「雑誌」がマイナス30.2%と、もっとも大きな減少率を見せている(【発表ページ】)。

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今記事のデータ取得や項目選択のあらましは記事一覧【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(経済産業省発表・特定サービス産業動態統計調査から)】で説明が行われている。そちらでチェックしてほしい。今記事はその2009年11月分データの速報値を反映させたもの。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2009年10-11月)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2009年10-11月)

比較しやすいように先月発表データと並列して図にしてみたが、全体的にやや復調していた先月と比べ、4大既存メディアは再び悪化しているのが分かる。一方でインターネット広告は持ち直しを見せ、それが売上高全体を底上げしている。ちなみに「雑誌」は前年同月比でマイナス30.2%。阿鼻叫喚。先月の記事で「相当危機的な状況にある」とコメントしたが、今月は「かなり危険な状態」と表現を改めることにしよう。

「インターネット広告が伸びていたとしても、全体を底上げするだけの規模を持っているのか」という疑問もあるに違いない。そこで今回は特別に、2009年11月における各区分の売上高をグラフ化しておく。電通や博報堂の区分とは違うため、該当同月の両社データ【電通と博報堂の種目別売上高前年同月比をグラフ化してみる(2009年11月分)】とやや違和感を覚えるところもあるだろうが、参考値の一つ程度としてとらえてほしい。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2009年11月、億円)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2009年11月、億円)

実は今回取り上げた項目中では、インターネット広告はすでにラジオ、雑誌を超え、テレビ・新聞に次ぐ規模にまで成長している。これなら全体をある程度引っ張ったとしても不思議ではない。

次に、公開されているデータの推移をグラフ化する。インターネット広告のデータが掲載されたのは2007年1月からなので、それ以降の値について生成したのが次の図。

月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2009年11月まで)
↑ 月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2009年11月まで)

ここ数か月の流れとしては「テレビがやや横ばいから復調?」「雑誌やラジオ、新聞はかなり怪しいレベル」「インターネットはプラス圏に復帰」という傾向が確認できる。特に新聞・雑誌の二大紙媒体は、他の媒体から下部にかい離を見せ始め、いよいよもって下落幅に歯止めがかからなくなってきているのではという感すらある。2009年の前半期という最悪期からは抜け出せたようではあるが……。

先日発表された景気ウオッチャー調査の結果(【2009年12月分の景気動向指数は3か月ぶりの上昇、先行きも3か月ぶりの上昇】)では、12月の企業・消費者マインドはかろうじてプラスの域であることが確認できている。しかし内容を精査すると、実質的には横ばい、むしろ下落の雰囲気が強く、「プラス」も実は誤差の範囲レベルであることが分かる。来月発表分データはやや持ち直しを見せるかもしれないが、先行きが明るいわけではないことは言うまでも無い。むしろ媒体毎の格差(堅調……インターネット、難戦だが奮闘中……テレビ、軟調……新聞・雑誌・ラジオ)が広がるかもしれない。

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