東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる(2010年1月6日版)

2010/01/07 07:09

インフルエンザ定点観測イメージ【東京都感染症情報センター】は2010年1月6日、2009年第52週(12月21日-12月27日)時点での東京都内医療機関におけるインフルエンザ(季節性・新型双方合わせた)の疾病報告数定点観測データを公開した。報告数は前週と比べて減少しており、減少傾向が継続していることを表している。直近の山場は越えたものと思われるが、例年と比べて報告件数がまだ多いことに違いは無く、引き続き油断は禁物な状況といえる(【定点報告疾病集計表・週報告分データ】)。

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まずは感染症名を「インフルエンザ」(新型インフルエンザ+季節性インフルエンザ)に設定し、「5年間比」をクリックした上で「更新」をした結果が次のグラフ。

東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(2009年52週目までも含めた過去5年間)
↑ 東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(2009年52週目までも含めた過去5年間)

今回も先回週に続き、直近の減少傾向ぶりを青色の矢印でトレースしている。7週前の「休みの日が一日多いからその影響があるかもしれないが、しばらくぶりに前週比でマイナスを見せた」週以降、減少傾向を継続しているのが確認できる。今回は前回よりも減少率が増加し(前週比89.2%→80.4%)し、事態は終息の方向を歩みつつあることをうかがわせる。

例年のパターンと比較して「季節性インフルエンザ」の報告数が多少なりとも含まれている可能性を考えれば、直近においては「新型インフルエンザ」の増加に歯止めがかかり、現在減少段階にあると断じてよいだろう(※専門家による言及ではないことに注意)。とはいえ、例年と比べれば(新型・季節性を合わせた)総報告数がまだ多いことに変わりは無く、引き続き警戒を有する状況には違いない。

今データからだけでは判断できないが、例年のパターンと比較すると、今この段階でもインフルエンザ報告例の多くは「新型インフルエンザによるもの」と思われる。実際に国立感染症研究所の【発表データ】で確認すると、今回計測週の2週前における50週の時点でも、いまだに検出されたインフルエンザウイルスのほぼすべてが新型インフルエンザのものであることが把握できる。もちろん、例年のパターンと比べるとすでに「季節性」インフルエンザが広まりを見せる時期であるはずなので、新型が大部分とはいえ、新型と季節性の双方を合わせたものとして数字を見ていかねばならない。

しかし一部報道にもあるように(【Experts say pandemic could have a silver lining if it knocks out other viruses】【インフルエンザ 消えた!?「季節性」 「新型」の勢いにおされ淘汰…】)、専門家の間では「今年度は新型インフルエンザの流行で免疫学的・予防の面で季節型インフルエンザの流行が相当抑制される可能性がある」とのこと。実際に上記の「国立感染症研究所」のデータもそれを裏付けていることもあり、今後の動向に注目していく必要がある。今年度の冬季は逆に、例年よりインフルエンザ報告数が少なめになる、という事態も想定しうる。

各週の報告数全体における若年層の割合は、学校生活という特殊な(そして感染がおこりやすい)閉鎖環境で過ごす時間が長いことから、20代までが多い。しかしながら季節性インフルエンザと比べると、新型インフルエンザはとりわけ20代以下の感染割合が多めとなる。逆にいえば30代以上が少ない。今回計測週でもその傾向はある程度維持されている。

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-52週)
↑ 東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-52週)

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-52週、積み上げグラフ)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-52週、積み上げグラフ)

最新の2009年52週では、9歳未満の患者数「割合」は前週からさらに減少の傾向(51.1%→44.7%)を見せている。8週ぶりに過半数を割り込んだが、それでも大きな割合であることに違いは無い。

この年齢階層、そして中堅層以降(30代以降、水色系統の部分)の報告数比率もそろそろ季節性インフルエンザのそれに類する形となっており、状況的にも季節性インフルエンザにバトンがタッチされた感はある。とはいえ、いまだに20代までの若年層が多数を占めていることに違いは無く、若年層への警戒は強化しなければならない。

元々厚生労働省の流行シナリオは、乾燥時期の真冬に流行する季節性インフルエンザの流行パターンを、そのまま今年の夏季にスライドしたものであり、乾燥(≒インフルエンザの感染・拡散に大きく影響を及ぼす)については考慮されていなかった。しかし実際には、その予測より一か月ほど後ろにずれこんだ形で、直近のピークに達したのは間違いない(【年内約2550万人・ピーク時で76万人/日が発症・新型インフルエンザの流行シナリオを確認してみる】)。

今後は、季節性インフルエンザの増加による数字の上ぶれが想像できる。しかし上記にあるように、季節性インフルエンザそのものが抑えられている可能性もあり、報告数動向には注意を払わねばならない。もちろん寒さ・乾燥状態の進行(※ウイルスが広まりやすい)で新型インフルエンザの勢いが再び活性化する可能性は「ゼロとは言い切れない」点でも注意が必要。

もちろん以前から繰り返しお伝えしているように、感染拡大の場となりやすい教育機関ではうがいや手洗い、無用な人混みに足を運ぶことを避ける・マスクを欠かさない、十分な睡眠と栄養管理で身体の抵抗力を強固なものとしておく、体調不良時には「電話で連絡を入れて相談した上で」医療機関におもむくなど、季節性インフルエンザ同様の対応を「確実に行う」「繰り返し行う」ことの大切さを改めて強調しなければならない。これらの実行で、感染拡大は最小限に抑えられるだけでなく、季節性インフルエンザ対策としても十分な役割を果たす(今年は実際、その効果が表れているようだ)。

対策の重要性を理解しにくいかもしれない子供達のために、学校で繰り返し啓蒙を行うことが欠かせまい。また、いわゆる「ハイリスク者」に対しての気遣い・備えも十分以上に行う必要がある。

これからますます寒さも厳しくなり、体調不良に陥るリスクも高くなる。今まで以上にインフルエンザ対策、及び健康の管理が求められよう。

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