派遣76%・年収300万未満77%に対して「審査厳格化」「貸出停止」…貸金業者の法改正への対応

2009/12/31 07:24

貸金業イメージNTTデータ経営研究所は2009年12月24日、貸金市場における改正貸金業法の影響に関する実態調査の結果を発表した。それによると、改正貸金業法の第4条完全施行によって非正規社員や無職の人、低所得者、他社借入件数の多い人は今後新たな借り入れが極めて困難になる可能性が高い事が分かった。これらの条件に該当する人に対する借入審査を今後厳しくする・貸付の停止を予定していると答えた業者が、全体の7割以上を占めている(【発表リリース】)。

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今調査は2009年7月3日から8月10日にかけて郵便調査法および電子メールにより、2009年5月末時点での日本貸金業協会員及び非協会員に対して行われたもので、有効回答数は1230者。

詳しくは【専業主婦(夫)の消費者金融からの借金、38.0%は「相手にナイショ」】で解説しているが、改正貸金業法の第4条完全施行(2010年6月までの予定)後は、貸金業者からの借り入れにおいては原則的に「貸付金額50万円以上か、他の業者からの既存借入金額と合わせて100万円を超える場合、返済能力があることを証明する書類が必要」「総量規制により、専業主婦・主夫の借り入れは配偶者と合わせた収入の1/3まで。配偶者の同意、夫婦関係証明書類、配偶者の収入証明書の提出が必要」などの決まりが適用される。つまり「消費者金融などからの借り入れが法的に厳密化される」ことになる。

そこで初期審査姿勢を「厳しくする」「貸付停止を予定」と回答した貸金業者について、属性に応じて与信対象先を分類したうえで、「改正貸金業法の完全施行による影響の可能性」を尋ねたところ、全般的に「元々収入が不安定で金額も低い」人ほど「影響を受ける」とする回答になった。

↑ 属性別・改正貸金業法の完全施行の「影響を受ける」比率(一部抜粋)
↑ 属性別・改正貸金業法の完全施行の「影響を受ける」比率(一部抜粋)

7割以上が「厳しくする」「貸付停止を予定」と考えている属性を赤色で着色したが、ほぼすべての区分において年収が低め、あるいは収入そのものが不安定な属性ほど影響を受けやすいのが分かる。

元々貸し倒れ・返済遅延リスクが高い属性ほど(取りはぐれによる損失を補うため)貸付利率は高くなる。にもかかわらず利率の上限が制限され、その上「借り手の負担が大きいような貸し付けは規制」されるのだから、貸し手側としては厳格化・停止して少しでもリスクを軽減する動きに出るのは当然といえる。

一方借り手側の立場とすれば、(つなぎ資金もあわせた)消費者金融などの貸金業からの借り入れの必要性が高い人ほど、借り入れがしにくくなる可能性が高い。類似記事でも触れているが、「貸金業の問題を声高に掲げ、法改正を強く望んだ」人たちほど制限を受けることになりかねない。改正法の施行後、どのような状況になるのか、注意深く見守る必要があるといえよう。

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