一番多いのはたばこの不始末、たき木、ストーブ、それとも…出火原因の内訳などをグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/11/28 11:53

喫煙者自身以外に副流煙による他人の健康被害にも大きくスポットライトが当てられているたばこのリスクだが、実はそれ以外にもいくつかの無視できないリスクが存在する。その一つが以前【喫煙の企業へのリスク・「健康被害」の認知度は84.4%、けど分煙室の費用コストは……】でも触れている通り、就業場の火災で主要な発生元になりうること。そこで今回は就業場に限らず火災全体状況に関して、消防庁が毎年発表している【「火災の状況」(確定値)】(【消防防災博物館の「火災の概要」】にも収録されている)を元に、実情を確認していくことにする。

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2015年の出火原因は放火、たばこ、こんろの順


最初に示すのは年ベースでの最新データにあたる2015年分の出火原因の内訳。最大値を示すのは放火で4033件、ついでたばこの3638件となった。

↑ 出火原因の内訳(2015年、火災件数)
↑ 出火原因の内訳(2015年、火災件数)

後述するが放火は年々その件数、全体に対する比率を減らしつつあるものの、今なお最大の件数にある。単純計算だが毎日11件ほど、放火による火災が発生している計算になる。さらに「放火の疑い」まで含めると全体の2割近く・約6500件にまで達する。

次いでたばこ。多分に不始末によるもので、こちらは3600件ほど。たばこの喫煙率の漸減もあり、件数・比率共に漸減しているが、上位陣にあることに違いは無い。さらにこんろ、放火の疑い、たき木といつもの顔ぶれが続く。

これを過去5年間について、動向把握をするため、各年の全体件数に占める比率と、単純に件数の積み上げとしてのグラフを生成したのが次の図。

↑ 出火原因の内訳(火災件数比率)(2015年時点の上位10位でラインアップ)
↑ 出火原因の内訳(火災件数比率)(2015年時点の上位10位でラインアップ)

↑ 出火原因の内訳(火災件数)(2015年時点の上位10位でラインアップ)
↑ 出火原因の内訳(火災件数)(2015年時点の上位10位でラインアップ)

件数比率で見ると直上で言及したように放火やたばこの不始末は多少の上下を繰り返しながらも、大よそ減少中。一方たき木などのように振れ幅が大きい出火原因も多く、全体数としてはやや大きな上下を繰り返しながら漸減の傾向にある。

また「その他」項目が3割を維持していることからも分かる通り、出火原因そのものは多様化しており、最初のグラフで示した細分化の項目一覧にすら収まらないような事案が多々あることがうかがえる。

出火場所と犠牲者と


出火原因は放火とたばこの不始末が多いことは判明した。それではどのような場所で火災は多く発生しているのだろうか。建物の種類別に見た件数は次の通りで、一般住宅(いわゆる戸建)が最上位についている。その数、およそ7800件/年。

↑ 建物用途別建物火災件数(2015年、上位)
↑ 建物用途別建物火災件数(2015年、上位)

次いで共同住宅が3774件と、住宅火災が多分を占めていることが分かる。「特定複合用途」とは2つ以上の用途に用いられる建造物のことで、そのうちの用途の一つが劇場や集会場、飲食店、病院、旅館、養護学校など特定の用途に該当するものを指す。例えば1階が飲食店で2階以上がオフィスのようなビルを指す(特定用途に該当しない複数の用途に用いられるのは「非特定複合用途」)。大規模火災などが報じられる場合が多いため、工場や作業場の件数も多数に登るように思えるが、実際には1598件と順位の上では4番目に留まっている。

最後は火災のうち住宅で発生したものに関して、その火災で命を落とした人の世代区分別割合(年齢不詳は除いて再計算している)。

↑ 住宅火災死者(放火自殺者等を除く)における年齢区分別割合
↑ 住宅火災死者(放火自殺者等を除く)における年齢区分別割合

元々高齢者の数・全人口比は増加する傾向にあるのだが、それでもなお人口構成比以上に高齢者の割合が大きく、さらに猛烈な勢いで増加中なのが分かる。これは運動能力が低下しているなどで、逃げ遅れたり着衣が着火してしまうことを起因としていることに加え、高齢者の一人暮らし、寝たきりあるいはそれに近い状態の人が増加していること、そして高齢者の中でもより歳を取った人の数・割合が増加しているのも原因として考えられる。

ただし直近2年に限れば、高齢者の比率が減少し、6歳から64歳層の比率が再び増加している。これが一時的なものか、あるいはトレンドの転換による動きなのか、もう少し状況を見極めたいところだ。



火災はすべての宝物を一晩で奪う、非常に影響力の大きい災害。火がつきやすいものを外に置かないなどの配慮はもちろんだが、日常生活でも火の用心は欠かせない。また、お年寄りがいる世帯では寝たばこをしないよう心掛ける・うながすなど、さまざまなルール作り、万一の際の備えが必要。

火そのものは非常に便利なものだが、同時に大敵ともなりうる諸刃の剣。そのことを忘れないようにしよう。


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