喫煙の企業へのリスク・「健康被害」の認知度は84.4%、けど分煙室の費用コストは……

2009/12/30 05:21

たばこのコストイメージジョンソン・エンド・ジョンソンは2009年12月24日、「企業における禁煙と企業経営に関する経営陣(社長・役員)に対する調査結果」を発表した。それによると調査母体において「喫煙が企業にもたらすリスク要因」としてもっとも知られていたのは「従業員の健康への被害」で、認知度は84.4%にも達していた。一方で最近流行りの分煙をするのに用いられることが多い「喫煙場所の設置」について、「約6坪の喫煙場所に、分煙のためにかかる維持管理費は、年間で数百万円にも及ぶ」という事実は15.8%しか認知されていないことが分かった。喫煙リスクの認知度は項目により、差がかなり大きいようだ。

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今調査は2009年12月上旬に企業の経営陣(社長・役員)に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は500人。男女比は1対1で、年齢階層比は20代から50代・60歳以上にて10年区切りで均等割り当て。

喫煙が企業にもたらすリスク要因は色々想定できるが、その中でも代表的なものを選択肢として用意し、それらを知っているか否かについて複数回答で尋ねた。もっとも多くの人が知っていたのは「従業員の健康への被害」で、84.4%に達していた。多くの経営陣は「たばこは社員の健康にはマイナスとなる」ということをしっかりと認識しているようだ。

↑ 喫煙が企業にもたらすリスクについて、知っているもの(複数回答)
↑ 喫煙が企業にもたらすリスクについて、知っているもの(複数回答)

たばこの健康被害は喫煙者本人はもちろんのこと、【30センチ? 3メートル? 「たばこの煙」とその害はどこまで届く?】で詳しく解説しているように、周辺の他人にまで及ぶ。副流煙は少なくとも吸った本人の半径10メートル以上に達するので、ちょっとしたオフィスなら全体を包み込んでしまいかねない。分煙にしても、パーテーションで区切ったくらいでは無意味で、完全別室にした「分煙室」を作り、内部空気を遮断する必要が生じてくる。それくらいリスクが広がる可能性を秘めているわけだ。

健康への影響は多くの人が知っているが、第二位以下となると認知度は大きく下がる。第二位の「オフィスビルにおける火災の原因のトップはたばこ」はわずか3割でしかない。考えてみれば事務作業で火を使うことは滅多になく(あるとしても給湯所のコンロくらいか)、他に考えられる原因は漏電や放火ぐらいであり、「たばこ」がトップになるのは当然といえば当然。

また、先に触れた「分煙室」のコストに対するリスクも認知度が低い。【会社経営陣の78%は「会社内喫煙対策」賛成派】でも触れているが、「喫煙スペースが完全に分煙されていない企業が15.4%も存在する」のは、ひとえに予算不足によるものだろう。分煙したい、しかし予算が無いとなれば、結局中庸(悪く言えば中途半端)の施策をとらざるを得なくなり、双方にとって意味の無いことを繰り返してしまう羽目になるわけだ(喫煙者にとっては分煙室に行く手間がかかるし、それ以外の人にとっては分煙してもらっているが健康上のリスクはほとんど減らない)。

気になるのは5.8%の経営陣が「リスクは無い」と考えていること。恐らくは回答者本人が喫煙者だと思われるが、そのような認識で大丈夫なのだろうか、と心配すらしてしまう。せめて従業員への健康リスクくらいは知っておいてほしいものではある。

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