先行き不透明感が増す、食料品も6.0%の下落…2009年11月度チェーンストア売上高、マイナス8.0%

2009/12/23 07:22

【日本チェーンストア協会】は2009年12月22日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2009年11月度における販売統計速報を発表した。それによると11月は先行き不透明感が増す中で、気温が高めに推移したことで冬物商品の売れ行きが鈍り、さらに日取りの関係もあり、総販売額は前年同月比で12か月連続して下回る-8.0%という結果となった。11月は食料品も6%と大きな下げ方を見せ、衣料品の10%を超える売上減少と合わせ、全体の軟調さを改めて印象づける値が示されている(【発表リリース】)。

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今調査結果は協会加入の68社・8185店舗に対して行われている。店舗数は先月比で36店舗減、前年同月比で606店舗減。売り場面積は前年同月比100.2%と0.2%ほど増えている。今月は、店舗数が先月・前年同月比共に減少しており、企業数も先月から減っていることもあわせて考えると、業界レベルで大規模なリストラクチャリングが起きているようである。またこれだけ店舗数が減少しているにも関わらず、売り場面積がわずかではあるが増加している状況から、規模の拡大統合化(あるいは小規模店舗の閉鎖)を昨今の難局解決打開策と見ているらしい。いわゆる「スケールメリットによる事態打開」といえよう。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……1兆0320億8261万円
・食料品部門……構成比:61.8%(前年同月比94.0%、▲6.0%)
・衣料品部門……構成比:11.8%(前年同月比85.6%、▲14.4%)
・住関品部門……構成比:20.3%(前年同月比95.7%、▲9.2%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比93.2%、▲6.8%)
・その他…………構成比:5.7%(前年同月比89.8%、▲10.2%)

食料品の下げ率は
先月より拡大し状況悪化。
衣料の売上前年同月比は
マイナス2ケタ台へ。
先月より状況の不透明化加速。
11月はデフレ認定をはじめ、景気全般の不安定・不安感が加速。さらに気温が例年に比べて高く冬物商品の売れ行きを留めるような気候が続いたこともあり、消費者の消費マインドは大きく抑えられた。さらに日取りの関係で今年は去年と比べて土曜日が一日少なく、数字の上でのマイナス要素を上乗せさせた。売上高は前年同月比で10%間近の値となり、全項目でマイナス、衣料品とその他部門では2ケタマイナスの値を示してしまっており、思わしくない状況。

具体的品目としては食料品はエリンギやもやしなど安めの商品が好調だが、気温の関係で本来この時期には売れるはずの鍋もの系野菜は全般的に不調。商品単価の安さが追い打ちをかけている。その上ブームが終焉したように見られるバナナなども思わしくない。畜産品では「安いもの」へのシフトが続いており、昨月同様に加工品などが堅調。

衣料品は気温が高いせいもありコートやジャケットは不調。雨の日の多さで傘の動きは良かった。住関品は引き続き新型インフルエンザの影響で、マスクをはじめとした消毒液など医薬・化粧品の伸びが目覚ましい。しかし同時にそれがマイナスに働いているのか、さらに余計な出費を強いると思われてしまったのか、外出、行楽用品は鈍い。また、空気清浄機が好調なのも新型インフルエンザによるものと思われる。他に薄型テレビも良い傾向を見せている。

11月は10月と比べると「デフレ宣言」という心理的に大きなマイナス要因を積むイベントが発生した他、その発言元が引き起こしている政策・経済の不安定さ・混乱・マイナス的施策が直接・間接的に心理的影響を及ぼしているのか、消費者の生活防衛意識はさらなる高まりを見せている。その上デフレ感に伴う商品価格の値下げ圧力も著しく、「モノは売れず、売れても単価が安くて売り上げがあがらない」という、小売り側としては厳しい時代が続いている。

冒頭で触れているが、店舗数・売り場面積の動向から、不採算店舗(主に小型店舗)の整理統合や大型化による機能集約の形で、効率化を推し進めているのが確認できる。上場企業のスーパーやデパートなどのプレスリリースを見ても、統廃合、人員の大規模な削減、さらには企業間の合併などいわゆる「業界再編」「(本当の意味での)リストラクチャリング」が進んでいるのは明らか。しかし面積あたりの売上高の回復もまだ見られず(前年同月比でマイナス7.5%)など、各種努力の成果以上に事態が悪化しているのが見て取れる。いわば船底の水漏れを手でふさいでいるものの、ふさぎ切れずにますます浸水していく状態。

1990年代以前のような好調さをスーパー・デパートが取り戻すには、何よりも景気そのものの回復を待つしかない。しかし人々の消費性向が大きく変わった今、景気が回復しても以前のスタイルそのままで、業績をあげることは難しい。このような時期だからこそ、次の時代を見据えた大手術が求められているに違いない。

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