あの新聞のアクセスはどこからやってくる? 主要新聞社サイトのアクセス元をグラフ化してみる

2009/12/25 05:12

新聞イメージウェブサイトの情報提供サービス【Alexa】では、ドメイン単位で「どのようなサイトが来訪者を橋渡ししているのか(リンクで誘導しているのか)」のデータを取得することができる。このデータを調べることで、「第三者でも」特定サイトのアクセス状況を(概要的にだが)知ることが可能となる。今回はこの機能を使い、以前【主要新聞社サイトの読者数や読者年収などをグラフ化してみる】で取り上げた、日本の主要新聞社サイトのリンク元を調べてみることにした。

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Alexaには各ドメイン毎に多種多様な視点からのデータを一般に公開している。その中で、「Clickstream(クリックした上での視聴者の流れ)」のうち、「Upstream Sites」のデータを元にグラフ化を行う。このデータは「上流サイト」を意味し、該当ドメインに来る「前」に、視聴者が見ていたドメインがユーザ数の多い順に表示されるというもの。原文は「Percent of total visits to *******(ドメイン名) preceded by a visit to the upstream site.」なため、正確には「”そのドメインへの来訪者全体のうち”直前に見ていたドメイン」ということになる。

↑ amazon.comの事例。Clickstreamをクリックして、Upstream Sitesの並び・値を抽出する
↑ amazon.comの事例。Clickstreamをクリックして、Upstream Sitesの並び・値を抽出する(再録)

それではまず、NIKKEI NET(日経新聞)。

↑ NIKKEI NET(日経)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)
↑ NIKKEI NET(日経)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)

他の新聞社サイトにもいえることなのだが、主要ポータル(検索)サイトでは、キーワードの検索結果以外にニュースの(検索結果の)配信も行っている。グーグルはリンク集のみで具体的なニュース内容は「各サイトで確認を」のパターンだが、ヤフーの場合は本文もヤフー内に掲載され、関連記事や配信元表記のリンクが「各配信元サイト」となっている。したがってグーグル経由で各新聞社サイトに来た来訪者の少なからずは「ニュース一覧」から来た可能性はあるが、いずれにせよ「検索結果」からには違いない。

データを見る限りではグーグルとヤフー合わせて4割強、グーグルcomも合わせると半数近くが主要検索エンジン経由ということになる。朝日や読売などの姿も見られ、「ニュースサイト巡回者」の経路に収まっていることも確認できよう。そして「その他」は約4割。それなりにブックマークされているようすがうかがえる。

続いてYOMIURI ONLINE(読売新聞)。

↑ YOMIURI ONLINE(読売)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)
↑ YOMIURI ONLINE(読売)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)

日本がグーグルよりもヤフーの方が優勢であることは何度となく伝えてきた通り。それが如実に表れている。ニュース提供のスタイルから見れば、むしろグーグル経由の方が多くなるはずなのだが……。

また、日本国内におけるソーシャネルットワークの最大手mixiからのリンクも確認できる。mixi内で配信されているニュースの配信スタイルもヤフーと同じで、「mixi内に全ニュース転記」「関連ニュースは配信元へのリンク」というスタイルなのだが、読者を誘導する効果は発揮されているようだ。「その他(=推定固定客率)」は3割程度。

自称クオリティ・ペーパーのasahi.com(朝日新聞)。

↑ asahi.com(朝日)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)
↑ asahi.com(朝日)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)

キーワード検索・ニュース検索もあわせ、グーグルとヤフーの二大巨頭が多くのトラフィック確保に貢献してい図式に変わりはない。また、日経や読売など他社新聞社サイトからの流入……というよりは巡回ルートでの直前閲覧サイトも確認できる。興味深いのはソーシャルネットワーク系でtwitter(ツイッター)が10位(1.62%)に入っていること。ツイッター利用者のネタとなるような記事が多いということだろうか。

なお「その他(=推定固定客率)」は4割近く。先行2社サイトと比べてやや多めなのは、固定ファンが多いからなのかもしれない。

色々な意味で注目を集めている毎日.jp(毎日新聞)はどうだろうか。

↑ 毎日.jp(毎日)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)
↑ 毎日.jp(毎日)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)

ヤフー経由での読者の割合が、他社サイトと比べて非常に多い。実に半数以上を占めている。ニュース経由も含めて、どちらかといえばIT初心者の割合が多いことが推定される(これが毎日の特徴でもあり、リスキーな点でもあるのだが)。また、先のasahi.com同様にツイッター、そして2ch系の大手掲示板がクッションページとして用いている「ime.nu」が7位(1.25%)に確認できるあたり、確かに「色々な意味で」ネット界隈において話題となるネタ、もとい記事を提供しているのが分かる。

最後にiza(産経新聞)。本来なら産経新聞そのもののサイト「http://sankei.jp.msn.com/」を確認すべきなのだが、サブドメインでのデータが取得できないため、今回のような措置となった。

↑ iza(産経)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)
↑ iza(産経)のアクセス誘導元(Alexaデータ参照)

「毎日.jp」以上にヤフー経由のアクセスに偏っている。先の「主要新聞社サイトの読者数や読者年収などをグラフ化してみる」でも指摘しているように、他の新聞社サイトと比べてizaのアクセス数は少ないため、このような特異なデータが出てしまっているのかもしれない。あるいは「ヤフー対策」が非常にうまくいっているのか……。



今回新聞社サイトの「アクセス流入元」を調べてみたのは、各新聞社が「ニュースソース元として他サイトや検索経由でどれだけ利用されている」か、逆にいえば「新聞社サイトが検索エンジンにどれだけアクセスの恩恵を受けているか」を調べたかったため。【メディアパブ】などでも伝えられているように、日本に先行する形で経営難に陥っているアメリカの新聞社では、稼ぎどころの自社ニュースサイトが検索エンジンに「ただ乗り」されるのを良しとせず、「検索サイト経由の来訪はシャットダウン」「うちにはブックマークなどで来てくれる常連客だけでいい」「その常連客にしかるべき対価を支払ってもらえれば(=有料制)、経営は成り立つはず」という動きが一部で見られる。日本でも遠くないうちに似たような動きが起きることは否定できない。

しかし今データを見る限り、そのような措置を取った場合、多くのサイトで読者は良くて半減、下手をすると1/3・1/4になる可能性は否定できない。さらに「対価支払い」というハードルを越えて閲覧する人がどれくらいいるかとなると、想像することすら難しい(そもそも論として「対価を支払う位なら新聞を読む」「新聞サイトに支払いを認める人が、わざわざサイトでニュースを見るだろうか」という問題がある)。

先日【ウォール・ストリート・ジャーナル日本版正式スタート、一部有料スタイルは変わらず】でお伝えした、【日本版のウォール・ストリート・ジャーナル】は本国版同様に「一部無料・一部有料」のスタイルを踏襲している。あるいはこれが、一つの試金石となるかもしれない。

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