マイナスとはいえ機械や鉄鋼系での回復ぶりが確認・前年同月比でマイナス6.2%(2009年11月分大口電力動向)

2009/12/21 06:52

電気事業連合会は2009年12月18日、2009年11月分の電力需要実績の速報を発表した。それによると同年11月の電力需要(使用量)は10社販売電力量合計で673億kWhとなり、前年同月比でマイナス3.5%を記録した。産業用の大口電力需要量は前年同月比でマイナス6.2%を記録し、依然産業の活力が低迷状態で迷走している可能性を示している(【発表リリース、PDF】)。

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今調査の概要および用語解説は過去の記事まとめ【大口電力使用量推移(電気事業連合会発表)】上で説明がなされている。そちらでチェックをしてほしい。

2009年11月においては大口全体で前年同月比マイナス6.2%。それだけ工場の施設の稼働率が落ちていることになる(機器の技術進歩などによる節電効果もいくぶん含まれるが、一年で加速度的な進歩がない限り、誤差の範囲でしかない)。

大口電力使用量産業別前年同月比(2009年10-11月)
大口電力使用量産業別前年同月比(2009年10-11月)

今月は前月と比べれば多少ながらも数字は持ち直している。特に機械・鉄鋼系での回復ぶりが確認できる。とはいえあくまでもマイナス値が少なくなったのに過ぎない(=前年同月と比べて減っている事実に違いは無い)、そして昨年のこの時期は「リーマン(ズ)・ショック」で急激な下げを見せはじめていただけに、安心はできない。

中長期的なグラフでは1か月単位ではさほど大きな違いは出ない。そこで記録保全の意味も含め、2007年1月以降の全産業別の前年同月比推移グラフのみを掲載しておく。

大口電力使用量産業別前年同月比推移
大口電力使用量産業別前年同月比推移

今年11月の時点では、大口電力使用量の観点においては、少しずつではあるが状況の回復(というよりは底打ちの兆し)が見えているのが分かる。いわゆる「リーマン(ズ)ショック」以前までの水準にはまだ戻っていないが、グラフだけを見れば先行きは決して暗くないようにも見える。

しかし今後は「前年同月比」において、昨年の「マイナス20%、30%は当たり前」と比較した形での値が出るため、見た目は急速に回復しているように見えても、実はたいしたことが無い、いわゆる「コンビニの売り上げ」や「住宅の新築着工」でも見受けられた「前年同月比のトリック」が発生する可能性がある(去年の下げ方が異常な大きさなら、今年は下げていても「それよりマシ」に見えてしまうというもの)。さらに日本国内の政策大転換と混乱(改善か改悪かは各自判断してほしい)が起きていることで、このグラフの先行きが大きなぶれを見せることは容易に想定される。国内景気(内需)を推し量る物差しとして注目すべき指標であるだけに、大口電力使用量は今後も注意深く見守り続ける必要があるだろう。

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