世界各国の石油埋蔵量などをグラフ化してみる

2009/12/19 08:50

石油イメージ先に【世界各国の金(きん)保有量をグラフ化してみる】で触れたように、CNBC.comの【Slideshows】のコーナーでは実に多種多様で有益なデータが蓄積されている。今回はその中から、【世界で大量の石油埋蔵量を誇る国々たち(World's Biggest Oil Reserves)】を元に、主要石油埋蔵量・産出国のデータをグラフ化してみることにする。なお解説によると、2008年時点でアメリカ政府は全世界に1.36兆バレルの石油が埋蔵されていると発表しているそうな(ちなみに元記事そのものは【アメリカのエネルギー情報局(EIA:Energy Information Administration)】のデータを参照し、2009年10月30日に掲載されている)。

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グラフの掲載の前に、いくつか用語説明を。「1バレル」は良く耳にする、石油・原油の量を測る単位。樽(たる)が語源で42ガロン・158.987294928リットル(約160リットルと覚えれば、日常生活では問題ない)。「確認埋蔵量」とは、現在の技術で経済的に採掘できる量。だから科学技術が進歩して、より深いところまで採取できるようになれば、これまで以上に「確認埋蔵量」が増える可能性もある。

また「石油」はいわゆる採掘直後の「油」を指す場合もあるし、採掘した油からガスや水分、その他異物を大まかに取り除いた、精製前のものを指す場合もある(こちらはむしろ「原油(Crude oil)」と呼ぶ場合が多い)。「確認埋蔵量」「総生産量」は前者の「採掘直後の(石)油」、「原油生産量」は後者の「原油(石油)」を指す。

さて、まずは「確認埋蔵量」をグラフ化する。元記事では上位15位の国がリストアップされているので、それをそのまま組み込んだのが次の図。

↑ 石油の確認埋蔵量(億バレル)
↑ 石油の確認埋蔵量(億バレル)

サウジアラビアが世界最大の石油埋蔵量国であることがひと目で分かるが、それにも増して驚きなのは、カナダがそれに次いで第二位の立ち位置を占めていること。後述するがアメリカ合衆国への石油輸出量はカナダが世界でもっとも多く、その位置関係とあわせ、アメリカにとってカナダは大切な同盟国であることが分かる。

また、面積の小さな国や国政が不安定な国のいくつかも大きな埋蔵量が確認できる。アメリカをはじめとする世界の大国たちが、これらの国に熱い視線を向けている理由が理解できるはずだ。

続いて原油生産量。元記事には総生産量も記載されているが、大きな意味はないので今回は省略。なおこちらのデータは1日あたりの生産量を、「万バレル」単位で記している。

↑ 1日あたりの原油生産量(万バレル)
↑ 1日あたりの原油生産量(万バレル)

サウジアラビアやイランなど一部の国を除き、最初の「確認埋蔵量」と「原油生産量」の順位が大きく異なるのは、国内での石油の必要性や石油が採掘できる場所の採掘の難易度、資本算入の度合いなど数々の要素が絡み合った結果によるもの。特にロシアや中国、メキシコなどが必死に採掘を進めている様子がわかる。

次にグラフ化するのは、自国内での消費量。以前【産油国が「石油輸入国」になる日】でも触れたが、当初は石油輸出国だったのが「石油が売れる」「代金で国を活性化」「国内近代化」「石油消費量増加」「消費量が生産量を上回る」「石油輸入国に」のプロセスを踏んでいる国がいくつも存在する。そこで今グラフでは直上の「原油生産量」と併記する形で、自国内消費量を掲載してみる。「原油生産量」の方が大きければ計算上は「自国内で石油をまかなえて他国に売るなり国内にびちくできる」、「消費量」の方が多ければ「石油が国内生産量だけでは足りないので他国から輸入する必要がある」ことになる。

1日あたりの原油生産量と消費量(万バレル)
1日あたりの原油生産量と消費量(万バレル)

カナダはほぼトントン、そしてアメリカと中国が自国内の生産量だけではまかないきれず、事実上輸入に頼っている計算となる。それにしてもアメリカの消費量のいかに大きい事か。今回掲載されている15か国すべての消費量の、実に47%ほどに及ぶ。

最後に、この「石油大量消費国アメリカ」の石油量の帳尻を合わせるため、他の14か国がアメリカに輸出している量のグラフを。ただしこちらは2007年のデータのため、国際情勢の変化や石油価格の変動に伴い、現状では大きく動いている可能性がある。あくまでも参考値程度に見てほしい。

↑ 1日あたりのアメリカへの原油輸出量(万バレル)
↑ 1日あたりのアメリカへの原油輸出量(万バレル)


カナダはアメリカと地続きという地の利を活かし、アメリカへの石油最大輸出国の立ち位置を占めている。一方で距離が遠かったりアメリカとあまり仲の良くない国の量は少ないのも確認できる。



原油価格は2007年の金融危機後における、資源価格高騰とその後の急落の荒波にもまれる形で大きく値を動かしている。昨今では【WTI原油価格連動型上場投信(1671)】も上場し、個人投資家にとってもかつてより原油価格は身近なものとなりつつある。

一方で原油価格そのものは微妙に値がつり上がりつつあり、妙な雰囲気をただよわせる日々が続いている。これから寒さも厳しくなり、灯油の価格が気になることもあわせ、再び注視する必要性が生じているのかもしれない。

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