街中に突如現れた「運動する人たち」

2009/12/10 07:30

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街中に突如現れた「運動する人たち」イメージ【ビル全体で筋トレをする男たち】でも触れているが、トレーニングジムで身体を鍛える人たちのアクションは、ある意味特異で容易にイメージができるため、広告の素材としても使いやすい。要はいかに日常生活の中に、その「特異な状況」を組み込ませ、注目を集めさせるかが創り手の腕の振るいどころといえる。今回紹介する2つの事例もまた、「日常の中の非日常」を演出し、皆の注目を集めたトレーニングジムの広告である(Coloribus.comなど)。


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エキスパンダーのバネを伸ばすかのように開閉する扉
エキスパンダーのバネを伸ばすかのように開閉する扉

エキスパンダーのバネを伸ばすかのように開閉する扉イメージ腕や肩、胸などを鍛えられる、複数のバネを両手で広げるように伸ばしていく運動器具、いわゆる「エキスパンダー」。それと学校や図書館など公共施設系の入り口でよく見かける、蛇腹のような開閉式の扉。それをイメージ的に組み合わせたのがこの広告(中国で展開された)。入口を開け閉めすると、まるでエキスパンダーを伸縮させて運動をしているかのように見えるわけだ。そして両脇の手元には、宣伝したいジムの名前があり、その社名が頭に刷り込まれるという次第。

二つを結びつける発想のリンクの巧みさもさることながら、この広告が優れているのは費用対効果の高さ。何しろ扉の両端に、エキスパンダーを持っている手のプレートを貼りつけるだけでOkなのだから。また、まったく同じ発想で、アコーディオンを持たせて音楽教室の宣伝にも使えそうな気がする。

街中で懸垂をする人たち……!?
街中で懸垂をする人たち……!?

道ゆく人たちもつい足を止めて見入ってしまう
道ゆく人たちもつい足を止めて見入ってしまう

こちらはイタリアのトレーニングジムの広告。ヨーロッパで良く見かける狭い路地と、両脇の建物をまたぐかのようにつながっている電線を利用したもの。その電線を鉄棒に見せかけ、それを使って懸垂(けんすい)をしている人たちを描くポスターを貼っている。

はたからは「電線を使って懸垂してるだって? よほど腕力があるんだな……」と感心すらしてしまうかもしれない。感心は無いにしても、常日頃見かけて日常生活の景色として溶け込んでいる電線が、突然トレーニング用具に変わったあり様を見て、驚き、注目することは間違いない(ちなみに日本の場合には色々な法令上、このタイプの広告は難しい)。



「うちのジムで運動すれば、(このポスターを貼る作業くらいに)簡単に、こんなにやせることができますよ」イメージ元サイトには他にも多種多様なトレーニングジムの広告があり、その表現方法の面白さ・巧みさから見ていて飽きがこない。例えば右の写真は、あるトレーニングジムのポスターだが、普通の女性の写真を貼りつけただけのジム内部を写したもの。問題はその貼り方で、ちょうど角の部分が身体の中央部分に当たるように貼りつけてあるので、女性の身体がかなりスリムに見えてしまうわけだ。添えられたテキストメッセージは無いが、「うちのジムで運動すれば、(このポスターを貼る作業くらいに)簡単に、こんなにやせることができますよ」とアピールする意図があるものと思われる。

「見せかけだけで実際にやせてはいないではないか」というツッコミはさておくとして、トレーニングジムをはじめとする運動系の広告は、ぱっと見で分かるようなものが多く、それだけに巧みなものは「なるほど!」と感心させられるものが多い。そのような広告に出会えることはたびたびあるわけではないが、機会があればまた逐次解説・紹介することにしよう。


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