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2009年10月の新設住宅戸数、前年同月比27.1%減

2009年12月01日

2009年10月の新設住宅戸数、前年同月比27.1%減

2009年12月01日05:07

住宅イメージ国土交通省は2009年11月30日、2009年10月における新設住宅戸数のデータを発表した。それによると10月の新設住宅着工戸数は前年の同月比で27.1%減の6万7120戸となり、11か月連続の減少を示したことが明らかになった。着工床面積が12か月連続して減少を示していることとあわせ、新設住宅の低迷期が継続しているものと思われる(【発表リリース、PDF】)。

具体的な内訳は持家が4.9%、貸家は35.6%、分譲住宅は40.6%の「減少」。今回も三部門すべてにおいてマイナスの値を見せる結果となってしまった。そして今月も先月同様に貸家・分譲住宅の減少が著しい。ここ数か月はこの傾向が継続しており、住宅「販売」(自分の居住のために建てるのではなく、他人に売却したり賃貸するために建てること)分野の市場が冷え込んでいるのが分かる。また、地域別でも先月同様にすべての圏でマイナスを見せていて、地域の差異なく下げている。

ただし気になるのは「持家」分で、他の2カテゴリと比べると下げ幅は小さく、近畿圏に限れば増加に転じている。住宅取得・建築の趣向が偏りを見せているのもあるが、1カテゴリでも回復の兆しが見えるのは嬉しい話だ。

耐震偽装問題をきっかけに行われた2007年における改正建築基準法の施行、そしてそれに伴う行政側の準備不足・不手際が、同年夏以降の住宅市場における混乱や、新設住宅戸数の減少、さらにはそこから波及する不動産市場全体のつまづきのきっかけとなった。それと時をほぼ同じくして起きた金融市場そのものの低迷(金融「工学」危機)による資源高騰・賃金高を起因とする経費の上昇、関連企業の資金繰り悪化が、建設・不動産業界全体に打撃を与え、市場は急激に収縮。

その後低迷状態は継続しており、さらに需要側の趣向も変化を見せ始めているのが現状。付け加えるならば、政策の転換で情勢は不透明さを色濃くしているというところか。

新設住宅戸数の変遷
新設住宅戸数の変遷(2009年10月分まで)

改正建築基準法の施行によって2007年8月〜10月には大低迷が発生した。その後全体的には低迷状態にあり、直近に限れば去年の冬以降は、前年同月比マイナスの月が加速的に継続していた。今月発表分の10月は9月に確認できた「マイナス幅の縮小」がさらに顕著なものとなっており、先の「持家」カテゴリの回復が全体的な数字にも反映されつつあるのが分かる。ただしこれは「減少幅の縮小」でしかなく、前年同月では大きくマイナス・状態的には低迷状態が継続していることに違いは無い。

・耐震強度偽装問題を教訓にした
「改正建築基準法」施行(2007年6月)

・行政の不手際などを起因として
「新築」住宅市場が大規模収縮
低迷期続く
・2008年夏で底打ち感
 「前年比」でプラスに
・2008年10月再び下落・失速へ

・下落基調続く

2009年4月以降低迷感継続中

・マイナス幅縮小、回復の兆し!?
国土交通省では同日、住宅着工に一か月ほど先行するといわれている建築確認件数も発表している(【「最近の建築確認件数等の状況について」発表リリース】)。これによると今回発表された2009年10月分データでは前年同月比7.4%マイナスとなり、先月の16.1%マイナスよりは改善しているように見える。とはいえ、マイナス値に違いは無く、来月発表分の住宅着工も前年同月比でマイナス値を見せることはほぼ確実のようだ。

冒頭でふれたように、持家住宅の減少率が低めでとどまっている一方、分譲住宅(建て売りまたは分譲の目的で建築するもの)の減少率が大きい傾向が続いている。また、賃貸目的の住宅の減少率も大きい。これは以前解説したように「出来あいの建売住宅よりも注文住宅の方が需要が大きい(【住宅購入ニーズは「マンションよりも一戸建て」「建売よりも注文住宅」】)」、「お買い得感を持つ住宅購入検討層が『少々背伸びをして分譲住宅ではなく自分の好み・希望に合った持家を買うケース』が増加している(【値上がりする住宅はローンの積み増しで購入!? 増加する住宅ローン総額平均】)」などの要因によるものと考えられる。また先月記事にした【「建売が売れない! でも……」フジ住宅の短信補足資料から住宅市場の流れを垣間見てみる】でも指摘しているように、複数の不動産企業で同様の傾向を確認できる。

先日不動産関連の分析などを行うブログ【ちぎっては投げ】【信金中金のレポート「業種別にみた中小企業の景況感?不動産業5業種」(PDF)】の解説が行われていたが、それによると在庫過剰感や業績そのもののネガティブなピークは通過した「かも」という話があった。そのような話が出ること自体、決して悪くない傾向であるといえよう。

もちろん先月も指摘したように、大勢においては不動産は「投資」対象から「居住」対象という、本来あるべき姿に回帰しつつあり、その過程における動きなのだと思われる。本格的な投資云々の話になるのはもう少し先のことになるのではないだろうか。




これらの書籍が参考になります

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