「人は働かないとなまけ者になるか否か」に賛成? 反対?? 世界各国の考え方をグラフ化してみる

2009/11/28 18:19

ナマケモノイメージ先に【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】などで取り上げた、世界各国の国民の意識・価値観の多様性を、多種多様な調査項目から紹介するデータ集『世界主要国価値観データブック』。同紙には他にも多種多彩な、検証するに値するデータが掲載されている。機会があるたびに少しずつグラフ化・分析を行っているが、今回は「人は働かないとなまけ者になるか否か」についてグラフ化してみることにした。具体的には「働かないと怠惰になる」ことに賛成か反対か、ということである。

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今調査結果は世界数十か国(80か国以上)が参加して実施している国際プロジェクト「世界価値観調査」によるもの。各国・地域毎に全国の18歳以上男女1000サンプル程度(実際には1000-2000人程度)の回収を基本とした個人対象の意識調査。調査そのものは2005-2006年にかけて行われており、該当冊子は先行して集計が終わった25か国分のデータが収録されている。男女比についてだが、国毎に多少の違いはあれど、すべて4対6-6対4の間に収まっている。例えば日本の場合は男性44.1%・女性55.9%である。

今回グラフ化するのは、資料編に掲載されている「労働についての考え方」のうち「人は働かないでいると怠惰になる」について。なお、香港・ニュージーランド・コロンビア・フランス・イギリス・オランダ・ロシア・イラクはデータ(非調査国)がないので除外してある。労働に対してどのような想いを持つのか気になる国も多いだけに、残念でならない。

設問では回答選択肢として「強く賛成」「賛成」「どちらでもない」「反対」「強く反対」と「分からない」があり、結果的に「無回答」がそれに加わっている。今回は「どちらでもない」が1-2割程度に収まっており(例えば日本は21.2%)、大勢には影響を与えないのでこれをゼロとし、「強く賛成」から順に+2・+1・0・-1・-2のポイントを割り振って国毎に合計し、「人は働かないでいると怠惰になる」と考えている度を数字化したのが次のグラフ。当然プラスが大きい方が「怠惰になるのでは」の思いが強い。

「人は働かないでいると怠惰になる」への賛成度(強く賛成:+2、賛成:+1、反対:-1、強く反対:-2)
「人は働かないでいると怠惰になる」への賛成度(強く賛成:+2、賛成:+1、反対:-1、強く反対:-2)

なかなかに判断が難しい結果が出てしまった。スウェーデンを除いてプラスであることから、少なくともスウェーデン以外は「働かないと怠惰になるな」という意見で固まっていることは確かなようだ。

また、全般的に西洋諸国、特に医療福祉制度が整っている国の方が値が低い感がある。とりわけスウェーデンがマイナスとなっているのが興味深い。「働かなくても怠惰にはならない」と考えている人が多いわけだが、「怠惰」は否定的に使われていることから、「別に働かなくても悪い事ではないのでは」という考えが強めなのだろうか。逆に韓国が強いのは、儒教思想の表れかもしれない。あるいは実例を見ているからか。

日本はといえば、ちょうど真ん中あたり。勤勉さはそれなりで高くもなく、低くもなく、というところか。



最近「セーフティネット」という言葉をよく聞くようになった。生活にしても雇用にしても「最低限度の保障をする制度」という意味だが、賛否両論が繰り広げられているのはご承知の通り。概念的には社会主義・共産主義の全体的システムに近いものがあるのだが、メリットとしては最低限度の保証はされ「得る」ことが挙げられる代わりに、デメリットとして労働意欲そのものが押し下げられてしまう。

要はバランスが大切だ、というものだが、その観点では比較的日本はよい立ち位置にいる気がしてならない。

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