【更新】専業主婦(夫)の消費者金融からの借金、38.0%は「相手にナイショ」

2009/11/28 08:45

借金イメージ日本貸金業協会は2009年11月24日、改正貸金業法の第4条完全施行に向けた対応状況などに関するアンケート調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、消費者金融などでお金を借りている専業主婦・主夫のうち4割近くが「自分の借金を配偶者は知らない」と回答していることが分かった。完全施行によって借入の際に必要となる書類を用意するにあたり、配偶者に借金の状況を知られることを嫌がり、「夫(妻)に内緒で借金をしている妻(夫)」が資金繰りに窮する可能性を示唆する結果となっている([発表リリース、PDF])。

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今調査は2009年8月25日から9月4日にかけて20歳以上の人に対してインターネット経由で行われたもので、前調査対象は10万5848人。そのうち今件回答項目では「現在消費者金融やクレジットカード会社などの金融機関から借り入れのある、専業主婦・主夫」500人を対象にしている。年齢階層や男女比などは非公開。

改正貸金業法の第4条完全施行(2010年6月までの予定)後は、貸金業者からの借り入れにおいては原則的に「貸付金額50万円以上か、他の業者からの既存借入金額と合わせて100万円を超える場合、返済能力があることを証明する書類が必要」「総量規制により、専業主婦・主夫の借り入れは配偶者と合わせた収入の1/3まで。配偶者の同意、夫婦関係証明書類、配偶者の収入証明書の提出が必要」などの決まりが適用される。

「現在消費者金融やクレジットカード会社などの金融機関から借り入れのある、専業主婦・主夫」500人に対し、この法律改正による借入の際のチェックの厳粛化のうち、「(自分自身では無く)配偶者の収入証明書の提出」について尋ねたところ、「提出は可能」、つまり借入をする手続きが出来るとした人はわずか36.2%に過ぎなかった。

専業主婦(主夫)による配偶者の収入証明書提出可否
専業主婦(主夫)による配偶者の収入証明書提出可否

「困難」「面倒、それなら借入しない」人は合わせて約半数の47.6%に達しており、考えを留保している人も16.2%に及んでいる。2/3近くが即答で「手続きが取れます」とは答えられないわけだ。

単に事務手続きが難しい、配偶者の職業が「書類を手に入れるのが難しい」タイプである場合も考えられるが、それにしては少々数が多すぎる。そこで「自分(専業主婦(主夫))が借入をしている事を配偶者は知っているか」と尋ねたところ、4割近くは「知らない」と答えている。

自分(専業主婦(主夫))が借入をしている事を配偶者は知っているか
自分(専業主婦(主夫))が借入をしている事を配偶者は知っているか

つまり、「すぐに書類を用意できます」と答えられない2/3近くの人の少なからずが、「書類を用意しようとすると夫(妻)に知られてしまう」ことを懸念して「提出は困難」「だったら借入しないよ」と考えていることになる。

実際、「書類の提出は困難」と回答した人にその理由のうち最大のものについて答えてもらったところ、もっとも大きなものは「配偶者に書類提出を相談する・借金を打ち明けると夫婦関係が気まずくなる恐れがある」で過半数に達していた。

配偶者の収入を証明する書類などを提出するのが困難な最大の理由
配偶者の収入を証明する書類などを提出するのが困難な最大の理由

他の項目、「配偶者が借り入れに反対している・しそう」「配偶者が個人情報を提出するのを嫌がる・嫌がりそう」なども合わせると3/4以上が、配偶者の反対により「困難である」と判断しているのが分かる。

恐らくは書類提出について「面倒、それなら借入しない」と答えた人の多くも同様の理由だと思われる……「夫(妻)に借金のことを知られるくらいなら、(ここでは)借入しないヨ」……ことを考えると、全体として「配偶者に借金のことは隠しておきたい、でも規制後は書類を用意できないから借入できない」状態にある人はかなりの数に登ると思われる。



今調査では他にも個人事業主に対しても複数の問いをしているが、回答はいずれも厳しいものばかり。書類が無い・手間がかかる・提出したくないから必要書類(事業実態・返済能力を証明するもの)をそろえられず、借入を断念せざるを得ない場合が少なからず確認できる。

各種規制には特例による除外項目もあるが、多くの業者が「法の施行後は例外項目そのものを取り扱う予定は無い」と答えており、例外条項そのものが有言無実のものとなる可能性もある。

法施行後は多くの主婦・主夫や
個人事業主が消費者金融から
資金を借入出来なくなる可能性。

・事態の改善
「リスクのある借金をせずに済む」
・事態の悪化
「闇金に走る可能性」
「柔軟な資金運用の欠落」
「リスクのある借金を行えなくなって良い事ではないか」と評価する人もいるだろう。実際、昨今の改正貸金業法の施行も、そう考える人たちやマスコミによる煽りが大きな力となったのは事実で、彼らの思いは果たされることになる。これにより、彼らが救おうとしていた人が「借金によるマイナススパイラル」から解放されるに違いない(その後どうなるかは、「彼ら」の眼中には無い)。

一方、借り入れが出来なくなった人すべてが「それなら諦めるか」で済まない人がいるのも事実。以前【融資の総量規制で60万人が自己破産の可能性も】でも触れたが、多くの人が自己破産、あるいはいわゆる「闇金」に走り、彼らが救う対象としていた人の数以上が逆に「救われない」事態に陥る可能性もある。特に個人事業者の借り入れが困難になるのは問題で、資金の柔軟運用が出来なくなった人たちが窮することは容易に想像がつく。

施行を来年に控え、対象となる人たちの動向を注意深く見守る必要がある。そしてもしかすると、いわゆる「煽り屋」に乗せられて目の前のものだけに注意を奪われていると、結局もっと大きな影響が自分や自分の身の回りに降りかかることを知る羽目になるかもしれない。

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