「新聞は・・・」検索候補を日本版で試してみると
2009/11/20 05:30
海外では日本以上に、新聞社と巨大検索エンジンとの熱きバトルが繰り広げられているが、それを象徴する事象の一つが先日【TechCrunch Japan】に掲載されていた。検索エンジン最大手のグーグルには「検索候補表示機能」という、途中まで入力した検索用語に対し、どのような言葉が続くことが予想されるのかを自動表示する機能がある。過去の実入力データを元にしたもので、携帯電話の予想入力と同じようなもの。「新聞は-」を意味する「newspapers are」を海外版グーグルで入力すると、この機能に基づいて色々な言葉が表示されるのだが、実に多種多彩で新聞の将来を懸念している人が多いかが分かるというものだった。それでは日本ではどうなのだろうか。早速試してみることにした。
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グーグルで「新聞は」とまで打ちこんだ結果表示された、予想候補
日本独自の事情による予想キーワードもあるが、大勢としては元記事のアメリカにおける状況とさほど変わらないのが分かる。
▲新聞は必要か
▲新聞は生き残れるか
○新聞は必要
○新聞は世界中で一番便利なものだ
-新聞はどこがいい
▲新聞はなくなる
▲新聞はいらない
○新聞は必要」91
-産経新聞は
ぱっと見でイメージできる印象を「中立:-」「ポジティブ:○」「ネガティブ:▲」で頭につけてみたが、ややネガティブが多いことが分かる。ただし海外の結果と比べると、肯定的な意見が多いかな、という感はある。
しかしながらそれぞれを実際に検索してみると、その第一印象も多少ズレが生じているのが分かる。「新聞は必要か」「新聞は生き残れるか」それぞれは文章中のフレーズとしてだけでなく書籍のタイトルとしても確認できる。一方、「新聞は必要」『新聞は必要」91』の両キーワードは、前者は肯定的な意見の検索をしているのはもちろんだが、後者のものとあわせ、1か月ほど前に発表された[読売新聞の世論調査 「新聞は必要」91%]を探している可能性も十分にあるのが分かる。表題はもちろんだがその内容・真偽性について、色々な方面で物議をかもしたものであるだけに、ソースを探したいという人も多いのだろう。
皮肉と言えば皮肉なのが、「新聞は世界中で一番便利なものだ」。フレーズだけ読むと新聞の愛好者が検索しているように見える。しかし実際に検索結果から調べれば分かるのだが、これは「新聞は世界中で一番便利なものだ。読むことはできないが、他のことになら何にでも使える。」という言い回しの一部であることが分かる。この言葉、アメリカの小説家でノーベル文学賞も受賞しているジョン・スタインベックのものであり、あちこちで流用されている。
また、この言葉の由来を探している過程で見つけたものとして、アメリカ第三代目の大統領、トーマス・ジェファーソンの言葉がある。いわく「新聞を読まない人のほうが、読んでいる人より正しく物事を認識できる。何も知らない人は、嘘と偽りに心を奪われている人より真実に近い」というものだ。耳が痛い人も多いのではないだろうか。
現在の日本では新聞やテレビなどが権威あるものであり、公明正大な立ち位置を持ち、絶対正義なメディアという印象を持つ人も多い。しかし現実には、新聞に対する人々の思い・素直な感想、そしてメディアリテラシーの重要性は、昔も今も変わらないようだ。
……ちなみに。同じような立ち位置にある「テレビ」で同様のチェックをすると、次のようになる。
グーグルで「テレビは」とまで打ちこんだ結果表示された、予想候補
ある意味、言わずもがな、というところか。
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