世界各国の「無資格での年金や医療給付などを要求する行為」に対する拒絶感(2017-2020年)(最新)

2021/01/27 05:06

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2021-0119世界規模で国単位の価値観を定点観測している【World Values Survey(世界価値観調査)】では、5年おきと比較的長い間隔ではあるものの、多様な観点から各国の価値観の違いを把握できる調査が行われ、その結果が公開されている。今回はその中から、国内外を問わず問題視され、しばしば伝えられる事件・問題点の一つ、「無資格での年金や医療給付などを要求する行為」に対する拒絶感の度合いなどについて確認をしていくことにする。

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「資格無く要求」はよくないとの認識多数、だが…


今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項などは先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度】を参照のこと。


次に示すのは「無資格での公的年金や医療給付などの要求行為」に関する回答状況。どれほど否定感を持つかを10段階で答えてもらい、国単位で平均値を算出したもの。悪くは思わないなら10、悪いことであると思うなら1とし、10段階で回答者の心境を提示してもらっている。値が低いほど「悪いことである」との認識が強い。理論上、全員が中間の意図を持っていれば、回答値平均は5.5となる。

↑ 無資格での公的年金や医療給付などの要求行為はよいことか(1(悪)-10(善)の選択肢での平均値)(2017-2020年)
↑ 無資格での公的年金や医療給付などの要求行為はよいことか(1(悪)-10(善)の選択肢での平均値)(2017-2020年)

前回記事の「脱税」同様に今項目でもフィリピン、メキシコ、チリなどが上位についており、地域・国家文化的なものとして、金銭的によく言えば大らか、表現を変えればルーズな観念が国全体として存在していると想像される。

全般的には今回抽出した諸国に限れば、西洋諸国で低め、新興諸国で高めの値が出ている。文化的な価値観の違いが出ていると考えれば納得も行く。日本はといえば1.76で、「悪いことである」との判断が大勢を占めている。また、いわゆる移民問題でトラブルを抱えているドイツ、ギリシャ、オランダ、イギリスでとりわけ低い値が出ているのは、それを起因とする無資格要求への憤りが、このような結果を導いている可能性は十分考えられる。

日本は特に厳しい「バスや電車の料金のごまかし」


無資格による公的サービスなどの要求行為と比べれば金額は小さく、またハードルも低い事案ではあるが、似たような状況として「公共交通機関の料金をごまかす」がある。いわゆる無賃乗車、料金支払い時における支払い手続きをしない上での改札突破などがよい例。こちらもおおよそ「無資格での公的年金や医療給付などの要求行為」と同じ結果が出でいる。

↑ 公共交通機関の料金をごまかすのはよいことか(1(悪)-10(善)の選択肢での平均値)(2017-2020年)
↑ 公共交通機関の料金をごまかすのはよいことか(1(悪)-10(善)の選択肢での平均値)(2017-2020年)

寛容の度合いがもっとも大きいのはロシア、次いでフィリピン。この2国が他から群を抜いている状態。次いでメキシコが付き、この3か国が御三家的な状態。脱税関連の記事でも同国は上位常連で、お金に対する大らかさがうかがえる。上位国は「無資格での公的年金や医療給付などの要求行為」のラインアップとさほど変わりない。

日本は今項目ではもっとも数字が低い、つまり厳粛に「悪いこと」との認識が多数を占めている。交通システムそのものがきっちりと料金の支払いを求める仕組みとして構築されているのも一因だが、同時に国民性的な部分もあるのだろう。ちなみに内部的な話だが、「1」、つまり「絶対に許されない悪業である」と答えた人は日本では84.6%に達しており、もちろん今回取り上げた諸国の中ではトップとなっている。ちなみにロシアでは21.9%でしかない。



日本国憲法には国民の義務として「教育・勤労・納税」を挙げている。「無資格での公的年金や医療給付などの要求」は、特殊事例を除けば「義務を果たさず権利を主張する」行為と受け止めることもできる。また規模は小さいものの、公共交通機関を利用してその料金を支払わないのもまた、同様の行為と考えられる(むしろ手順が逆で、権利の主張・施行をした後で義務を果たさないと見るべきか)。

このような要求が正しいことか否かは、それぞれがしっかりと認識し、はっきりと意思表示をするべきであろう。


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