【更新】世帯当たりのテレビ台数をグラフ化してみる

2009/11/16 07:26

テレビイメージBPO(放送倫理・番組向上機構)は2009年10月23日、報告書「“デジタルネイティブ”はテレビをどう見ているか?-番組視聴実態300人調査」を公式ウェブ上に掲載した。それによると同調査母体(若年層)においては、自宅にあるテレビ台数は平均で2.59台であることが分かった。2台所有世帯がもっとも多く1/3を占め、次いで1台・3台がそれぞれ2割強を占めている(該当資料は【こちら】に掲載)。今回はこのBPOの資料をはじめ、いくつかのデータをあわせ、「世帯当たりのテレビ台数」を調べてみることにした。

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今調査(BPO分)は2008年11月10日から11月16日までの間に、専門調査員による訪問留置調査方式で行われたもので、有効回答数は311。16歳から24歳の東京都内に住む男女を対象としており、年齢階層は非公開。職業別階層では高校生114・大学生92・社会人59・パートやアルバイト24など。資料タイトルにもあるように、若年層を対象とした結果であることに留意する必要がある。

それによると、テレビの世帯当たり所有台数は「2台」とする層がもっとも多く33.8%。次いで「1台」「3台」がほぼ同数の値を占めている。

自宅のテレビ台数(BPO「“デジタルネイティブ”はテレビをどう見ているか?-番組視聴実態300人調査」)
自宅のテレビ台数(BPO「“デジタルネイティブ”はテレビをどう見ているか?-番組視聴実態300人調査」)

グラフ中にもあるが、それぞれの台数に回答率を掛け合わせて平均化した値は2.59。今調査母体では2008年11月における、世帯当たりのテレビ台数は2.59台となる。

これだけでは何となく後味が悪いので、色々と調べてみることに。検索で最初に引っ掛かったのは、[JNNデータバンク全国地区(PDF)]。1973年から2007年における、「お宅には現在テレビが何台ありますか」という問いに対する回答率が示されている。選択肢は「1台」「2台」「それ以上」「無い」の4つしかないが、「それ以上」については先のBPOのデータから「3台以上のテレビを持つ世帯に限定した、平均所有台数は3.8台」を算出し、これを元に平均台数も計算。その上でグラフ化したのが次の図。「3台以上の世帯における保有率」は厳密には年代によって微妙な違いがあるのだろうが、そこまで調べる術はないので今回は3.8に統一しておく。

テレビの世帯当たり概算所有台数と各属性比率の推移(1973年-2007年、JNN調べ)
テレビの世帯当たり概算所有台数と各属性比率の推移(1973年-2007年、JNN調べ)

テレビの普及と共に世帯当たりの平均台数、そして「それ以上(3台以上)」の世帯率も上昇していく。しかし2000年あたりをターニングポイントとして、次第に平均台数・3台以上の世帯率が減少、さらには「1台」の世帯も増加する傾向を見せている。これは薄型・ハイビジョンの普及・低価格化や地デジ切替などの「テレビ買い替えを促進するイベント」で、旧来のテレビからの買い替えに伴い、家庭内のテレビ数を統合する動きがあるものと思われる。また、個室に備わっているテレビも地デジ切り替えに伴い、据え置き型に買い替えるのではなく、携帯電話のワンセグで代用するというパターンも十分に考えられよう。

続いて【NHK放送文化研究所・世論調査】から、「全国接触者率調査」における世帯内テレビ台数の項目を抽出して生成したのが次の図る各年月の下にあるカッコ内の数字は、5台以上を5.5台とした場合の概算平均台数である。

世帯内テレビ台数(NHK全国接触者率調査)(カッコ内は概算平均)
世帯内テレビ台数(NHK全国接触者率調査)(カッコ内は概算平均)

年数にして2年、調査回数は4回分のデータしかないので、大きな変化は見られない。ただ、1台・2台の割合が増え、3台以上が減っている感はある。2009年6月時点の平均台数が2.45台とやや減少気味だが、今後の定点観測データでどのように推移していくのかが気になるところだ。

最後に官公庁のデータとして、【内閣府消費動向調査】の結果を元にしたものを調べてみる。2005年以前からも調査は続けられているのだが(以前【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど】で「普及率」は調べてある)、世帯当たりの台数計測は2005年以降となっている。このデータを元に生成したグラフが次の図。

1世帯あたりのカラーテレビ保有台数(総世帯)(内閣府消費動向調査)
1世帯あたりのカラーテレビ保有台数(総世帯)(内閣府消費動向調査)

通常のブラウン管型テレビから薄型テレビへの買い替えが順調に進んでいるものの、雰囲気的には買い替えの過程で台数の整理が行われている面もある。薄型がブラウン管型を追い抜くころには、1世帯当たりの台数は2台を切っているかもしれない。



これらのデータからは、「地デジや薄型テレビの低価格化など『テレビ買い替え促進イベント』」による買い替えと共に、世帯内におけるテレビの(立場的)統廃合が行われ、世帯あたり台数が減っているという推測を裏付けることができる。また関連性の検証は今データでは不可能であるものの、「核家族化の進展による世帯に必要なテレビ数の減少」「携帯電話のワンセグ普及で、固定テレビの必要性の低下」なども、世帯あたりのテレビ台数の減少要因であることは想像するに難くない。

テレビの世帯当たり台数の減少や(基本的に視聴率データには反映されない)ワンセグの普及が(【ネット対応ゲーム機2割、ワンセグケータイ4割……情報通信機器の普及率の推移をグラフ化してみる】によれば、2008年末時点で普及率はすでに4割を超えている)、テレビ業界やその周辺業界・市場にどのような変化をもたらすのか、逆にデータの精密性をどのように担保し続けていくのか、検討すべき課題は決して少なくないといえよう。

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