日常外出をほとんどしない人は約5%・5年前と比べて増加中

2009/11/14 07:30

家に一人イメージ厚生労働省は2009年11月9日、「2008年国民健康・栄養調査」の概要を発表した。それによると2008年において、日常生活の中で外出をほとんどしない人は男性で5.5%・女性で4.9%に達していることが分かった。5年前の値と比較すると全体では増加しているものの70歳以上は逆に減少しており、「内こもり」の増加が病気や身体の衰えだけを起因とするものではないことが想像できる(【発表リリース】)。

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今調査は2008年11月に無作為抽出した300単位区内の世帯及び当該世帯の1歳以上の世帯員に対して行われている。調査世帯数は3838世帯、各項目によって調査対象数は異なる(詳細は【こちらで確認を(PDF)】)。

日常生活の外出様式について、「買い物や散歩も含めてどのように行動しているか」という問いに対し、、「外出することはほとんどない」と回答した人は男性で5.5%・女性で4.9%に達していた。大体20人に1人はいわゆる「内こもり(家こもり)」状態という計算になる。

日常生活の中で外出することがほとんどない者の割合(2008年)
日常生活の中で外出することがほとんどない者の割合(2008年)

今調査では外出しない理由についてまでは尋ねていない。したがっていわゆる「引きこもり」以外にかつての当方(不破)のような自宅療養を余儀なくされている人、疾病などで外出出来ない人、体力の衰えなどで外出が難しくなった人など、外出しない理由は多種多様に考えられる。特に60歳以降で急増する値の大部分は「老化」によるものだろう。

とはいえ30代男性3.2%・40代男性4.3%という値は、疾病などの理由にしてはやや大きめな気がしてならない。恐らく少なからずが「引きこもり」であることが考えられる。

その可能性を裏付けてくれそうなのが次のデータ。男女別・年齢階層別において5年前の2003年と今回発表された2008年のデータを比較したものだが、男性30代・40代の値がこの5年間で急増しているのが分かる。

日常生活の中で外出することがほとんどない者の割合(男性)
日常生活の中で外出することがほとんどない者の割合(男性)

日常生活の中で外出することがほとんどない者の割合(男性)
日常生活の中で外出することがほとんどない者の割合(男性)

この年代で外出が困難になるような疾病が急増したという話は聞かない。となれば、この世代の「内こもり」増加の原因の多くが、自発的意思による「引きこもり」であることは容易に想像ができる。男性では他に20代が1/3程度に減少しているが、これは喜ばしい事態といえる(あるいは「引きこもり」世代が現在の30-40代男性に集中しているのだろうか?)。

また、気になるのが同じく男性60代。【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】あたりと掛け合わせて考えると、高齢単身世帯で外出する機会も無く、一日中閉じこもっているパターンの増加では……という心配が頭をよぎる。

一方女性は60歳以上はこの5年間で減少を見せているが、50代が異様な伸びを示している。こちらについては原因はまったく不明。元々少ない値なだけに、誤差と見ることも出来なくはないが。



繰り返しになるがこの値は、いわゆる「引きこもり」を意味するものではない。疾病や体力の衰えなどによる結果の場合も多々ある。しかしながら本文で触れているように男性30-40代における増加については、「引きこもり」の増加が主要因である可能性は高い。

図中注意書きにある「買い物」については、この5年間でインターネット通販が格段に普及し、極端な話外出しなくても(代金を支払うだけのお金があれば)日用必需品のほとんどは手に入る時代になっている。そのような環境の変化が、「外出することがほとんどない者」の割合をかさ上げしたともいえる。

何かイレギュラーなことが起きない限り、体力の減少や疾病などによる「内こもり」の割合はさほど変わることが無い(70歳以上は別。高齢者が増えれば経年と共に体力減退で外出しなくなりうる人(たとえば80代・90代……)の割合も増加するからだ)。今後若年層から中堅層において、「内こもり」の割合がどのように変化していくのか、注意深く見守る必要があるだろう。

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