写真利用は8割、動画は5割……進むブログのマルチメディア化

2009/11/15 08:31

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マルチメディアイメージ以前【中高年はブログへ、若年層はツイッターへ!?】で説明をしているように、ブログを中心にデータを収集し分析を行い、ブログ対象の検索エンジンサービスを提供するTechnoratiは2009年10月19日から、最新のブログ事情を分析・統計した結果を発表するカンファレンス「State of the Blogosphere」の今年版の資料を逐次公開した(State of the Blogosphere 2009)。世界全体におけるブログの現状を、多数の視点から確認できる貴重なデータが豊富に盛り込まれている資料として、注目に値するものであることは間違いない。今記事ではその中から、「ブログの記事作成の時に、普段からどのようなメディアを使うのか」について、その調査結果を見ていくことにする。


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「State of the Blogosphere 2009」では市場調査会社Penn Schoen and Berland Associatesによって2828人のブロガー(ブログを書き込み、運営する人)を対象に2009年9月4日から23日にかけてインターネット経由で行われたもの(ちなみにアメリカだけではなく、全世界に対して行われている)。そのうち72%は自分の趣味などを目的にブログを行っている「自己満足派」。15%は自分の専門知識を披露して本職のサポートや宣伝に活用したり収入の一部を賄う「副業派」。9%は社内などで業務としてブログを展開する「業務派」。そして最後の4%は「プロのブロガー」。

ブログは元々「ウェブログ」の略称であったことからも分かるように、ウェブ上にログ(議事録・記録・文章)を掲載するためのツールに過ぎなかった。それがデザインをカスタマイズ出来るようになり、さらに同じデジタルデータとして存在する写真や動画、さまざまな音声を利用し、マルチメディア的な演出・表現が可能になりつつある。もちろん技術的な進化だけでなく、閲覧するパソコンの機能の向上やブロードバンド化も大きな寄与要因に違いない。

そこで普段ブログの記事を構成する際に、どのようなメディアを用いているのかについて複数回答で尋ねたところ、「写真を使う」人は82%に達していた。5人に4人は文章に加えて写真も併用している計算になる。

ブログの記事作成の時に、普段からどんなメディアを使う?(複数回答)
ブログの記事作成の時に、普段からどんなメディアを使う?(複数回答)

意外に多いのは「動画」。ただしここでは単に「動画」とあるが、恐らくは自前のサーバー領域から直接ファイルを読み込む形での動画配信はまれで、その多くがYouTubeなどの動画共有サイトにアップロードした上で、ブログパーツのタグを取得して貼りつける形によるものと思われる。この方法なら手軽に動画を扱えるし、口コミ効果も狙えるし、何より自分のサーバーの負担がゼロに等しい(そもそも動画をアップロードできるブログサービスそのものが少数派)。逆に考えれば、貼りつけタグを配信してくれる動画共有サイトの存在が、ブログにおける動画利用を大いに促進したと断じることができよう。

「音楽」や「音声」は少数派で1割程度。ただこれも工夫次第では「動画」の仕組みをそのまま流用することができる(必要な音だけ流し、映像は静止画にしてしまえば良いだけの話)。ただ、創作・提供側も視聴者も、音楽や音声にはさほどニーズが無いから利用されない、というだけの話。

一方で「何も使わず文字のみ」という硬派ブログも1割強存在する。何らかのポリシーか、文字のみで十分なタイプのものなのか、人それぞれだろうが、これはこれで味があってよい(あるいは単に面倒なだけなのかもしれないが)。

ブログ・管理人の別に見てみると、これもいくつかの違いが見えてくる。

ブログの記事作成の時に、普段からどんなメディアを使う?(複数回答)(ブログ・管理人のタイプ別)
ブログの記事作成の時に、普段からどんなメディアを使う?(複数回答)(ブログ・管理人のタイプ別)

「写真」はどのタイプでも積極的に使われているが、「動画」は業務派が一番多い。会社の事業や商品を説明するには、動画を見せるのが一番だという判断があるのだろう。実際に商品紹介やイベント、企業説明の動画をYouTubeにアップロードし、そのタグを自社ブログ・サイトに貼りつけている会社も多い。

「音楽」は自己満足派が一番多いが、これはたんにBGMを自分のブログにつけて「カッコイイ」と悦に入っているか、あるいはクリエイターを目指している人が自分の曲を披露しているのかもしれない(恐らくほとんどが前者だろうが)。他方「音声・喋り」は「プロブロガー」が最多利用を示している。実に2割近い値。こちらもやはり自己主張という観点では「音楽」で自分の創作曲を使っている人と変わりない。



【ブログ掲載の画像ファイルは記事1件あたり●.●枚】【ネット新聞読者は紙の新聞読者より記事を読みこなしている】、そして【大手情報サイトが「アルファ」たる理由3か条と「スニーザーブロガー」】でも触れているが、文章と比べて静止画・映像は直接的・短時間に視聴者にアピールする力がある。それゆえに上手く活用すれば、文章以上の訴求力・浸透力を持つブログ記事を創り出すことができる。

さらに日本に限って言えば、携帯電話の高性能化により、静止画はもとより動画も気軽にブログ上に投稿できるようになりつつある。あえて意図的に文章のみとしているブログを別にすれば、これからますますマルチメディア化は進んでいくはずだ。


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