「知らせたい」「売り込みたい」「では何をする?」アメリカの中小企業が使ったマーケティングツールは……?

2009/11/13 07:43

このエントリーをはてなブックマークに追加
パソコンでマーケティングするアメリカの人イメージ先に【中小企業のマーケティング費用と利益増加見込みの関係】でアメリカの中小企業におけるマーケティングへの投資の大小と収益との相関関係について触れたが、その際に参考にした資料の中で気になるデータがあった。調査対象がどのようなマーティング(広報宣伝やデータ分析などを行い、顧客にも喜んでもらいながら収益を拡大するための行動・仕組み)ツールを利用したか、というものだ。シンプルながらも今のアメリカの中小企業の視点が見えてくる内容のため、今回取り上げてみることにする。


スポンサードリンク


今レポート(【Small Business Marketing Health Check(PDF)】)は2009年7月にアメリカの中小企業(従業員20人以下)に対して行われたもので、有効回答社数は非公開。利益の上昇具合や使用ツール毎の利用頻度など、日本人にとってはあまり見かけることの無い貴重なデータが複数掲載されている。その中で「調査対象の企業が2009年7月時点で、今年利用したマーケティングツール」について複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

アメリカの中小企業が利用したマーケティングツール(2009年7月)
アメリカの中小企業が利用したマーケティングツール(2009年7月)

全般的にアナログメディアのツールは利用率が低く、もっとも高い率の「ダイレクトメール」ですら1/4強でしかない。それに対し「ソーシャルメディア」は7割超、「電子メール」は約半数、「検索エンジンへの広告出稿」は1/3強に及ぶ。

なぜこれらのツールを利用したかの理由は問われていないが、理由は容易に想像がつく。第一にアナログメディアのツールは全般的に初期投資費用・継続費用共に高く、ハードルが高い。一方でデジタルメディアならば費用を安く抑えたままで開始でき、効果が無いと見ればすぐに打ち切って損失も最小限に抑えられる。さすがに「ポッドキャストなどのマルチメディア」となるとそれなりの力量や費用が必要なので利用率が低いが、その他のツールは利用ハードルも低い。

小回りが利き、ランニングコストが低く、さらに費用対効果も把握しやすいとなれば、元々マーケティングにさほど投資出来ない中小企業も大歓迎といった具合だ。同じ予算でも1つ1つのコストが低く抑えられるので、複数手段を試すことすら不可能ではない。

もちろんアナログメディアにも利点は多い。「見本市への出店」で、上得意様の目にかなう機会があるかもしれない。「テレビやラジオへの広告出稿」で、何らかのブームを巻き起こし満塁ホームラン級のセールスに結びつく可能性もある。しかしそれらはコストの面で「ハイリスク・ハイリターン」であり、体力の無い中小企業が尻込みしても仕方が無い。

今後インターネットを利用する人が増えることはあれども減ることは無いことを考えれば、ますますデジタルメディアによるマーケティングツールは、中小企業はもちろん大企業にとっても、重要な立ち位置を占めるようになるだろう。


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS